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【新薬】アルブトレペノナコグ アルファ(イデルビオン)
患者負担と感染リスクを減らした血友病B治療薬

2017/01/27
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2016年11月29日、遺伝子組換え血液凝固第IX因子アルブミン融合タンパク質製剤のアルブトレペノナコグ アルファ(商品名イデルビオン静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000)が発売された。本薬は9月28日に製造販売が承認され、11月18日に薬価収載されている。適応は「血液凝固第IX因子欠乏患者における出血傾向の抑制」。添付されている溶解液を全量加えて溶解し、1回に体重1kgあたり50国際単位を緩徐に静注する。定期的補充療法では、7日に1回35~50国際単位/kgを投与するが、14日に1回75国際単位/kgで投与することも可能になっている。なお、いずれの場合も患者の状態により適宜増減は可能であるが、1回75国際単位/kgを超えないように投与する。

 血友病Bは、血液凝固第IX因子(FIX)の量的あるいは質的異常を伴う血漿中FIX活性の低下によって生じる、先天性出血疾患(希少疾病)である。深部組織から滲み出るような出血を特徴とし、出血部位の大部分は皮下出血、関節内出血および筋肉内出血である。ほとんどが男性に見られる疾患で、国内の統計では男性10万人に対して1~2人の割合で発病し、患者数は約1000人と推定されている。

 治療としては、出血時に必要量のFIX製剤を速やかに投与する出血時補充療法と出血が起こらないようにする定期補充療法がある。現在、臨床使用されているFIX製剤としては、人血漿由来の乾燥濃縮人血液凝固第IX因子製剤(クリスマシンM、ノバクトM)、乾燥人血液凝固第IX因子複合体製剤(PPSB-HT)と、遺伝子組換え製剤である血液凝固第IX因子製剤(ベネフィクス、リクスビス)、血液凝固第IX因子Fc領域融合タンパク質製剤(オルプロリクス)がある。しかし、これらのFIX製剤による定期補充療法では、自然出血を防ぐために血漿中FIX因子レベルを一定以上に保つ必要があり、薬剤を頻回に投与しなければならず、患者の負担は大きかった。

 アルブトレペノナコグ アルファは、遺伝子組換えヒトアルブミンと遺伝子組換えFIXを結合させた製剤であり、ヒト血漿由来の感染リスクを除去し、かつアルブミンとFIXの融合により血中半減期を延長(104時間)した特徴がある。成人および小児での血友病B患者(FIX活性2%以下)を対象とした国内外の5試験では、良好な薬物動態プロファイルが示されるとともに定期補充療法において長い投与間隔で有効性と安全性が確認された。海外においては、2016年3月に米国で、2016年5月に欧州にて承認されている。

 治療歴のある血友病B患者を対象とした海外臨床試験および国際共同試験において、7.5%に副作用が認められていることに注意する。主な副作用には頭痛(1.9%)などがあり、重大な副作用として他の凝固因子製剤においてショック、アナフィラキシー関連事象、血栓関連事象が報告されている。

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