2016年9月28日、骨粗鬆症治療薬ゾレドロン酸水和物(商品名リクラスト点滴静注液5mgの製造販売が承認された。用法用量は1年に1回5mgを15分以上かけて点滴静注となっている。なお、ゾレドロン酸水和物を使った製剤にはゾメタ点滴静注4mg/5mLがあり、「悪性腫瘍による高カルシウム血症」(2004年承認)および「多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変」(2006年承認)の適応で臨床使用されている。

 高齢化により骨粗鬆症の患者は年々増加し、国内で約1300万人が罹患していると推測されている。骨粗鬆症とは「加齢などにより骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になったことで骨量の減少が起こり、さらに骨微細構造の変化により骨強度が低下することで、骨折が起こりやすくなる疾患」といわれている。骨粗鬆症が進行すると寝たきりなどを引き起こし、患者のQOL低下につながるため、薬物治療といった早期介入が必要不可欠となっている。

 現在、骨粗鬆症の治療薬としてはカルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤、活性型ビタミンD3製剤、女性ホルモン製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤抗、抗RANKLモノクローナル抗体製剤などが使用されている。中でも、国内ガイドラインでは女性ホルモン製剤(結合型エストロゲン)、ビスホスホネート製剤、SERM、PTH製剤などが治療薬として強く推奨されている。

 ゾレドロン酸はビスホスホネート製剤の1つで、主に破骨細胞の形成阻害および機能喪失を引き起こすとともに、アポトーシスを誘導することで、骨吸収抑制作用を示すと考えられている。また静脈内投与後、長期間にわたり骨組織に特異的に分布し、効果を発揮するという特徴がある。

 ビスホスホネート製剤は内服および注射製剤が広く使用されており、近年、患者のライフスタイルに応じて適切な投与経路や投与頻度が選択可能となってきた。患者の負担軽減などの観点から投与頻度で分けると、4週に1回投与するものは、アレンドロン酸の注射製剤(ボナロン)、ミノドロン酸の経口製剤(ボノテオ、リカルボン)。1カ月に1回投与するものは、リセドロン酸の経口製剤(ベネット、アクトネル)、イバンドロン酸の経口・注射製剤(ボンビバ)が選択可能になっている。これまでは6カ月に1回皮下投与する抗RANKLモノクローナル抗体製剤デノスマブ(プラリア)が骨粗鬆症治療薬で最も長い投与間隔を有していた。

 ゾレドロン酸は2016年6月時点で、米国やEUなど115カ国以上で承認されており、海外にて骨粗鬆症の豊富なエビデンスの蓄積があった。それに加え、日本人原発性骨粗鬆症患者を対象とした国内第3相臨床試験においてプラセボに比べて有効性(骨折発生率の低下、腰椎および大腿骨近位部での骨密度増加効果)と安全性が確認されたことにより、今回の承認につながった。

 国内第3相臨床試験では臨床検査値異常を含む副作用が59.2%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用は発熱(39.3%)、関節痛(10.8%)などであり、重大な副作用は急性腎不全、低カルシウム血症、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、外耳道骨壊死、大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部の非定型骨折、アナフィラキシーが報告されている。

 ゾレドロン酸の薬剤使用に際しては、適応により使用する薬剤が異なり、規格や用法用量も異なることに留意しておかなければならない。