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癌の基礎知識
卵巣癌
─化学療法が効きやすい卵巣癌 腹水があっても末期とは言えず─

2009/07/06
(監修 国立がんセンター中央病院腫瘍内科医長 勝俣範之氏)

 ただし、IP療法には今後の課題も残っている。レジメンが定まっていない、加えて、毒性が強いために完遂率が40%と低い、ポート管理の標準化が行われていないなどだ。そのため、国際的にもIPの臨床試験がまだ必要であると考えられている。日本においては、IPのポート管理がしっかり行える医療機関に限って、IP療法は実施可能であり、標準治療と呼べるというレベルだろう。

●再発

 再発治療の基本は、同じ再発でもsensitive diseaseとresistance diseaseの2種類がある点だ。卵巣癌の場合は、6カ月以内の再発はresistance、6カ月以上経過後の再発はsensitiveとするコンセンサスがある(下図参照)。


 6カ月以上経過後に再発した場合(sensitive relapse)では、再度、プラチナ製剤もしくはプラチナ製剤+タキサンを利用することが標準的だ。一方、6カ月以内に再発した場合(resistance relapse)に関しては、ドキシル、トポテカン、イリノテカン、ドセタキセル、ウィークリー・パクリタキセルなど様々な治療薬が試みられている。ただし、この場合の奏効率は2~3割程度に留まっている。また、標準的な治療薬は定まっていないのが現状だ。

 再発卵巣癌に対する臨床試験(RCT)は、6カ月以内の再発(sensitive)を対象にしたものでは、パクリタキセル単独とCAP療法ではCAP療法がよく、パクリタキセル+カルボプラチン併用とカルボプラチン単独の比較では、併用がよいという結果が出ている。そのため、sensitiveの再発にはプラチナ系の抗癌剤を用いることがコンセンサスとなっている。

 一方、resistance再発に対しては、これまでに臨床試験(RCT)は3つ程度となっている。その結果としては、トポテカンとパクリタキセルを比べるとトポテカンがよく、トポテカンとドキシルではドキシルが生存率では差がないものの、PFSで有効という結果であった。そのため、海外ではresistance再発のセカンドラインとしてはドキシルが多く利用されている。

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