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癌の基礎知識
腎細胞癌
治療の基本は手術による摘出 新規分子標的薬の登場で広がる転移性腎癌の治療選択肢

2009/06/11
(監修 静岡がんセンター院長 鳶巣賢一氏)


●新規分子標的薬の効果

 欧米における前治療無しの転移性RCCに対して、スニチニブとIFNαを比較したところ、スニチニブ群の無増悪生存期間(PFS)が、IFNα群の2倍以上になることが示された。また、全生存率もスニチニブがIFNαに勝っていた(下図)。


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 一方、ソラフェニブは、Motzerらのリスク分類でLowもしくはintermediate riskのサイトカイン既治療の転移性腎細胞癌に対して、無治療群に比べて有意に生存期間となることが示された。

 Motzerらのリスク分類とは、5つあるリスク因子(PSが80%以下、ヘモグロビン低値、乳酸脱水素酵素高値、カルシウム高値、腎摘術を受けていない)で患者のリスクを分類するもの。リスク因子を1つも持たない場合をfavorable、リスク因子が1~2つ持つ場合をintermediate、3つ以上持つ場合をPoorとする。

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 ソラフェニブ群では、下痢や全身倦怠感、手足皮膚症候群、高血圧が高頻度で見られたが患者は投薬に耐えることができたという。

 これら新規の分子標的薬であるスニチニブ、ソラフェニブは、2008年に相次いで国内で発売された。

 もう1剤、腎細胞癌への効果が期待されているのが、mTOR阻害剤であるテムシロリムスだ。MSKCCリスク分類のPoor risk群のみを対象に、テムシロリムス群、IFNα群、テムシロリムス+IFNα群を比較したところ、テムシロリムス単独投与により、全生存率が有意に改善することが示されている(下図)。

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