肝癌の進行度は、ステージ1からステージ4まで、4つの段階に分かれる。ステージを決める要因は、上図の(1)から(3)を満たすかどうかで決まる。早期であるほど生存率はよいが、生存率は肝予備能であるChild-Pugh gradeの影響も大きく受ける(下図)。

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そのため、腫瘍のみのステージと肝予備能のステージを統合したステージ分類であるJISスコアが予後予測ステージとして日本では確立されている。JISスコアとは、肝機能予備力をChild-Pugh A、B、C、肝癌研究会のステージ分類をスコア化(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳを、スコア0、1、2、3)して足し合わせて分類したもの。

 肝癌診療ガイドライン(2005)による肝癌の治療アルゴリズム(下図)では、肝障害度と腫瘍数、腫瘍径で治療が決められている。肝細胞癌の治療は、根治的治療、姑息的治療、試験的治療に分類され、根治的治療、姑息的治療が標準治療となっている。これは海外でもほぼ同じだ。

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●早期肝癌に対する根治的治療

 早期肝癌に対する根治的治療としては、肝切除、ラジオ波焼却療法RFA)や経皮的エタノール注入療法PEIT)という局所療法、もしくは肝移植がある。2cm以下の肝癌に対しては、RFAと肝切除はほぼ同等の治療成績であるため、患者に十分に説明の上、治療法を選択するべきことが日本肝臓学会から推奨されている。

 肝細胞癌に対するRFAは、侵襲が低くて、3cm、3個以下は理論的にはほぼ全例でCR達成が可能だ。加えて、再治療が何回でもできるというメリットがある。また、入院期間は3~4日程度で済む。RFAの合併症としては、治療関連死が2600例中1例程度で、安全な治療法といえる。一方、肝切除は全身麻酔下に行われ、少なくとも2週間の入院が必要となる。そのため、早期肝癌に対してはRFAが普及しているのが現状だ。しかし、確実な焼灼が行われないと局所再発だけでなく、肝内転移のリスクも高くなる。安易な適応は避け、やりにくい場所は切除に廻すなど適応の順守と適切な効果判定による焼灼が必要である。

 肝移植も一つの選択肢となっている。1996年にミラノ基準が提唱されるまでは、治療成績は低かったが、ミラノ基準に沿って対象を厳選することで、5年生存率が70~75%になることが多くのデータで示されている。日本では、海外と同様の基準で肝移植を行えば80%程度の5年生存率が達成されるだろうとも考えられている。