また他の臨床試験から、化学療法によって患者のQOLが改善すること、癌に伴う症状の改善効果も示されている。そのため、IV期を中心とした進行非小細胞肺癌の治療の目的は、現在のところ延命と癌による症状の改善である。

 第3世代の抗癌剤であるパクリタキセル(PTX)、ドセタキセル(DOC)、ビノレルビン(VNR)、ゲムシタビン(GEM)、イリノテカン(CPT-11)は、我が国においては1999年には全て承認された(それぞれの作用機序は下表)。

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 我が国で行われた、シスプラチン(CDDP)と第2世代抗癌剤の併用と、CDDPと第3世代抗癌剤の併用を比較した試験によると、CDDP+ビンデシン(VDS)とCDDP+CPT11では優位性は示されなかった。ただし、IV期だけを解析するとCDDP+CPT11が、CDDP+VDSよりも良好であった。一方、CDDP+VDSとCDDP+DOCの比較では、奏効率、生存率共にDOC併用群が有意に良好な結果であった。

 また、第2世代レジメンと第3世代レジメンとの比較試験のメタ解析の結果からは、第2世代レジメンに比較し、第3世代レジメンによる生存期間延長が示されている。合計2425例が参加した8試験のメタ解析では、奏効率の”リスク”は46%(p=0.001)向上し、1年の死亡リスクは19%減少(p=0.012)した(Yana et al, Proc ASCO 2002, abstr 1309)。もう一つのメタ解析では、合計3296例が参加した8試験が解析され、奏効率は13%(p<0.001)、1年生存割合は4%(p=0.04)向上した(Baggstrom et al, Proc ASCO 2002,abstr 1222)。

 薬剤の併用については、単剤と2剤併用、2剤併用と3剤併用の奏効率、1年生存割合などを比較した研究がある。その結果、奏効率は単剤よりも2剤併用が良く、生存期間も良好という結果が出ている。しかし、2剤併用に比べて3剤併用では奏効率は上昇するが生存期間は変わらないことが示されたため、現在は2剤併用療法が標準治療となっている。

 第3世代+プラチナ製剤同士の比較試験では大きな差がないという結果が複数の臨床試験で示されている。ただし、毒性は併用薬によって差がある。例えば、CDDP+PTXをコントロールにしてCDDP+GEM、CDDP+DOC、CBDCA+PTXを比較したECOG1594試験では、CDDP+GEMおよびCBDCA+PTXの併用で以下の毒性の低下が見られた。(下表)

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