治療歴がある膵神経内分泌腫瘍(panNET)および消化管神経内分泌腫瘍(giNET)で高分化型(Grade1/2)の腫瘍を有する患者に対し、レンバチニブは高い抗腫瘍効果と良好な毒性プロファイルを示すことが、国際的なフェーズ2のTALENT試験から示された。10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、スペインVall Hebron University HospitalのJaume Capdevila氏が発表した。

 進行NETの患者に対する治療選択肢は限られている。panNETに承認されている治療は、ソマトスタチンアナログ製剤、化学療法、分子標的薬ではエベロリムスとスニチニブ、放射線核種標識ペプチド治療(PRRT)であり、giNETではソマトスタチンアナログ製剤、エベロリムス、PRRTである。分子標的薬の奏効率は10%に満たない。

 レンバチニブは、VEGFR 1-3、FGFR1-4に対し強い親和性を有するマルチキナーゼ阻害薬で、有効性を示すとともに、抗血管新生阻害薬に対する耐性を逆転させる可能性もある。

 Capdevila氏らは、panNETとgiNETに対するレンバチニブの有効性を評価するため、TALENT試験を実施した。

 フェーズ2試験は、A、Bの2つのコホートで構成された。全対象は、組み入れ前の12カ月間にRECIST v1.1による増悪が認められていることとされた。コホートAは、進行または転移を有するGrade 1/2のpanNETで、分子標的薬で増悪後の患者とし、PRRT、インターフェロン、化学療法の施行前の患者は可とされた。コホートBは、進行または転移を有するGrade1/2のgiNETで、ソマトスタチンアナログ製剤で増悪後の患者とし、インターフェロンまたはPRRTの施行前の患者は可とされた。肝臓の局所療法は、レンバチニブ投与開始の6カ月より以前に行われている場合は許容とした。

 レンバチニブ24mgを1日1回投与し、増悪または忍容不能な毒性の発現まで継続した。主要評価項目は、画像中央判定によるRECIST v1.1に基づく奏効率だった。
 
 111人を登録し、panNET、giNETの患者ともに55人となった。全対象の年齢中央値は59歳、男性は51%、Grade 2は70%だった。前治療として、panNETの患者では、31%が化学療法を受け、84%がソマトスタチンアナログ製剤、64%がエベロリムス、27%がスニチニブの投与を受けていた。giNETの患者では、98%がソマトスタチンアナログ製剤の投与を受けていた。

 画像中央判定による奏効率は、全体では29.2%、panNETの患者では40.4%(95%信頼区間:27.3-54.9)、giNETの患者では18.5%(95%信頼区間:9.7-31.9)となった。安定状態(SD)はそれぞれ66%、55.8%、76%で得られた。

 試験担当医の評価でも奏効率は同様となり、全体では27.3%、panNETの患者では34.6%、giNETの患者では20.3%となり、SDはそれぞれ68.8%、57.7%、79.6%で得られた。

 追跡期間中央値11カ月の時点において、無増悪生存期間(PFS)中央値は、panNETの患者では14.2カ月(95%信頼区間:11.4-未到達[NR])、giNETの患者では17.6カ月(95%信頼区間:11.5-NR)となった。

 安全性プロファイルは、レンバチニブの過去の報告と一致していた。レンバチニブの減量または中断は、panNETの患者では88.6%、giNETの患者では91.1%、副作用による中止はそれぞれ10.9%、17.8%となった。有害事象のほとんどは軽度で、グレード1/2の有害事象はpanNETの患者では90.7%、giNETの患者では89.8%、グレード3/4の有害事象はそれぞれ8.6%/0.5%、9.6%/0.6%で観察された。グレード5の事象はそれぞれ0.1%(1人)、0%だった。グレード3/4の有害事象で多く観察されたのは、高血圧、下痢、疲労感などだった。

 Capdevila氏らは、今回の結果について「進行NETの患者において、画像中央判定による奏効率では最も高い値となり、有望なPFSも示された」としている。現在、バイオマーカーの検討が進められている。