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ソラフェニブが米国で甲状腺癌対象に適応拡大の承認

2013/11/24
大西淳子=医学ジャーナリスト

 米食品医薬品局(FDA)は、2013年11月22日、ソラフェニブ(製品名「ネクサバール」)の適応拡大を承認した。局所再発型または転移性の進行した分化型甲状腺癌で、放射性ヨード療法に反応しない患者の治療に用いることが可能になる。

 甲状腺癌の中で最も一般的なのが、分化型の患者だ。FDAは適応拡大のための申請に対して、優先審査を適用した。

 ソラフェニブの有効性と安全性は、417人の患者を登録した無作為化試験DECISIONで確認された。放射性ヨウ素治療抵抗性の局所再発型または転移性の進行した未分化型甲状腺癌患者を登録し、ソラフェニブ400mgを1日2回経口投与(207人)または偽薬を同様に投与(210人)のいずれかに割り付けた。

 ソラフェニブ群には無増悪生存期間の有意な延長が見られた。中央値は、ソラフェニブ群が10.8カ月、偽薬群は5.8カ月で、ハザード比は0.587(95% 信頼区間:0.454-0.758、p<0.0001)になった。

 ソラフェニブ群に多く見られた有害事象は、下痢、疲労感、感染、脱毛、手足の皮膚反応、発疹、体重減少、食欲減退、悪心、消化管疼痛、高血圧などだった。なお、投与期間中に甲状腺刺激ホルモン値の上昇が見られたため、甲状腺ホルモン補充療法の調整が必要になった患者は、ソラフェニブ群に多かった。

 ソラフェニブは、腫瘍の増殖に重要な役割を果たすと考えられている複数のキナーゼ(Raf、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-B、KIT、FLT-3、RETなど)に作用することが示されている。

 米国ではソラフェニブは、2005年に進行腎臓癌を対象に承認を獲得、2007年には切除不能の肝臓癌の治療にも適用可能になった。米Bayer HealthCare社と米Onyx Pharmaceuticals社が共同でこの製品を販売している。

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