米GTx社は2月23日、進行性前立腺癌治療薬として、性腺刺激ホルモン(LH)阻害剤「GTx-758」のフェーズ1臨床試験を開始したと発表した。GTx-758は経口剤で、内分泌療法で起こりやすい骨量減少やほてりなどの副作用がないと期待されている。
GTx-758は、前臨床試験のin vitroおよびin vivoのデータから、下垂体におけるLH分泌を抑制し、それによって精巣での男性ホルモン(アンドロゲン)産生を阻害すると考えられている。フェーズ1臨床試験では、二重盲検プラセボ対照試験として、健康な男性ボランティアを対象に、GTx-758の安全性と忍容性、薬物動態プロファイルを検討する。
進行性前立腺癌に対する標準治療は、アンドロゲンを遮断する内分泌療法(ADT)で、精巣を摘出する去勢術やLH-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト注射剤の投与が一般に行われる。
しかしADTでは、骨量低下による骨折や、ほてり、女性化乳房、うつ症状、認知機能低下などの副作用が起こりやすいことが知られている。ADTを施行した男性の年間の骨折発生率は5~8%と報告されており、これは閉経後女性の骨折リスクの3倍になる。
GTx社の最高経営責任者(CEO)であるMitchell S. Steiner氏は、「GTx-758は、骨量減少やほてりを起こすことなく、テストステロンの抑制によって前立腺癌を治療することが可能であり、ADTにおいてベストな治療法になると信じている」と述べた。
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