日経メディカルのロゴ画像

特別リポート:支持療法
免疫栄養療法の実力は?
がん免疫栄養療法研究会が症例検討会を開催

2012/09/01

Part 2
症例発表

 初めてとなる今回の症例検討会では、8施設からEPA機能食品プロシュアの使用経験が報告された。

胃がん、食道がんでのEPA強化栄養剤の有効性
 市立堺病院の今村博司氏は、大腸がんにおいて予後因子としての有用性が確認されたGPSについて胃がんでの検証を行うとともに、これを用いて胃がん患者の悪液質に対するEPA強化栄養剤の有効性を評価した。

 検討対象となったのは、同院において2007年8月~10年3月に進行再発胃がんの一次治療としての化学療法を開始した94例である。GPSのcut-off値にはCRPが0.5mg/dL、Albは3.5g/dLが用いられた。GPSによる判定の結果、94例中39例(41%)がCRP/Albともに正常域のA群、14例(15%)がCRP正常域/Alb低下のB群、14例(15%)がCRP上昇/Alb正常域のC群、CRP上昇/Alb低下のD群は27例(29%)であった。各群の1年生存率はそれぞれ72%、63%、62%、36%で、D群は他の群を統合した成績に比べて有意に予後不良であった(p=0.0026)。

 今村氏は、D群は消化管閉塞や摂食量減少に伴う体重減少および炎症に誘発されたたんぱく質異化亢進や基礎代謝量の増加があり、後者については抗炎症作用を有するω3系多価不飽和脂肪酸EPAを含有する栄養剤の飲用が有効と判断、D群と判定された27例中、プロシュア240mL/日以上の摂取を2010年8月から同年12月まで継続できた6例についてその有効性を解析した。その結果、CRPは6例全例で、Albは6例中5例で改善、1例はA群に、2例はB群に移行した。以上の検討結果について今村氏は、GPSは胃がんにおいても化学療法を受けた患者の有意な予後因子であること、EPA強化栄養剤が悪液質の改善に有効であることが示唆されたと結論づけた。

治療法がなくなった後に、闘病意欲が復活した例
 筑波メディカルセンター病院の石黒愼吾氏は、EPA強化栄養剤の連日飲用によって栄養状態の著明な改善をみた、化学療法施行中の78歳男性のStage 2の胃がん症例を報告した。この患者は胃全摘術後に術後補助化学療法を施行、その後、腹膜播種、膀胱に多数の腫瘤が確認された症例で、膀胱への外照射およびTS-1/シスプラチン併用療法を4コース施行時点で高度の倦怠感を訴えpre-Alb低値を示したためEPA強化栄養剤の飲用を開始、徐々にAlb、pre-Alb、体重が増加、闘病意欲が復活し化学療法を2コース追加できたという。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ