日経メディカルのロゴ画像

学会トピック◎第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020)
2型糖尿病患者で入浴する人しない人、どっちが予後がいい?
入浴頻度が高い患者ほどHbA1cやBMIが低値

 湯船に浸かり温まる習慣がある2型糖尿病患者は、血糖値や高血圧、肥満に対するコントロールが良好であることが示された。9月21日~25日に開催された第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020)で国立国際医療研究センター国府台病院の勝山修行氏が発表した。

 湯船で温まること(以下、入浴)は、2型糖尿病やその他の代謝性疾患に対して有効であると言われており、日常にも取り入れやすい生活習慣だが、習慣的な入浴が2型糖尿病に与える影響を調査した大規模な研究はこれまで行われていなかった。我が国では、多くの家庭に浴槽が備え付けられており、入浴が習慣化されている。そこで本研究では、2型糖尿病患者を対象に習慣的な入浴が糖尿病や心血管リスク因子に与える影響について検討した。

 本研究は日本人2型糖尿病患者を対象とした横断研究として行われた。2018年10月~2019年3月に国府台病院の外来に通院中の2型糖尿病患者1297人(男性713人、女性584人)を対象に、入浴状況についてのアンケートを実施。アンケートの回答から得た入浴頻度と、HbA1cやBMI、血圧といった各種パラメーターとの関連を検討した。

 患者背景は、年齢66.9±13.6歳、BMI 25.9±5.3kg/m2、HbA1c 7.17±1.14%などであった。また、入浴頻度は4.2±2.7回/週、入浴時間は16±14分であった。

 入浴頻度で患者を層別化し、3群間(グループ1:4回/週以上、グループ2:1回/週以上4回/週未満、グループ3:1回/週未満)で各種パラメーターを比較した。その結果、入浴頻度が高くなるにつれ、数値が低下した項目は、HbA1c(グループ1:7.10±0.97%、グループ2:7.20±1.11%、グループ3:7.36±1.67%、P=0.012)、体重(66.2±15.6kg、67.1±16.9kg、70.0±18.6kg、P=0.026)、BMI(25.5±5.0kg/m2、26.0±5.4kg/m2、26.7±6.0kg/m2、P=0.025)、腹囲(92±14cm、94±16cm、101±17cm、P=0.012)、拡張期血圧(73±12mmHg、75±12mmHg、77±13mmHg、P=0.001)であった。

 性別、年齢、BMI、インスリンや経口血糖降下薬の使用状況を考慮した重回帰分析の結果、入浴頻度は2型糖尿病患者におけるHbA1cの重要な決定因子であった。さらに、入浴頻度はBMIや拡張期血圧の決定因子でもあった。

 本研究の結果より、湯船に浸かり温まる習慣によって、2型糖尿病患者の心血管リスク因子を改善できる可能性が示された。勝山氏は、横断研究の性質上、本研究は入浴と2型糖尿病との因果関係を示すものではなく、今後さらなる前向き研究が必要としつつ「入浴は2型糖尿病の療養指導の選択肢の1つになり得るのではないか」と結論した。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ