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NEWS◎無症状者への新型コロナウイルス検査が拡大
無症状者の唾液PCR検査・抗原定量検査が可能に
抗原定性検査は引き続き有症状者のみが対象

 厚生労働省は2020年7月17日、新型コロナウイルス感染症COVID-19)の診断に用いるPCR検査および抗原定量検査について、唾液検体を用いた検査の対象を無症状者(空港検疫の対象者、濃厚接触者など)にも拡大する方針を示した。これまで唾液PCR検査と唾液抗原定量検査は、発症9日以内の有症状者が対象となっていた。なお、簡易検査キットを用いる抗原定性検査については、無症状者は従来通り対象としない。

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するPCR検査は、鼻咽頭ぬぐい液を検体として用いる場合には症状の有無を問わず実施できたが、唾液検体を用いる場合はこれまで、対象が発症9日以内の有症状者に限られており、無症状者への唾液PCR検査は推奨されていなかった(関連記事)。

 6月には唾液検体を用いてSARS-CoV-2抗原を測定する抗原検査試薬「ルミパルス SARS-CoV-2 Ag」が承認された(関連記事)。専用の検査装置を用いる定量検査で、30分で陽性・陰性を判定できるが、対象者は唾液PCR検査と同じく、発症9日以内の有症状者に限られていた。

 その後、東京都内において実施された無症状者を対象とした検査において、唾液を用いたPCR検査、LAMP法検査、抗原定量検査と、鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査の結果について、高い一致率が確認された。厚生科学審議会感染症部会においてこの結果に基づく審議が行われ、その結果を踏まえ、無症状者(空港検疫の対象者、濃厚接触者など)に対する唾液を用いたPCR検査、LAMP法検査、抗原定量検査を可能とする方針を決定した(図1)。

図1 PCR検査と抗原検査の対象者(出典:厚生労働省「無症状者の唾液を用いたPCR検査等について」)

 5月に承認された抗原定性検査の簡易検査キット「エスプライン SARS-CoV-2」については、検体は鼻咽頭ぬぐい液とし、対象者は有症状者のみとする方針を変えない。引き続き唾液検体は用いず、また無症状者に対する使用も引き続き推奨していない。

 同キットは、発症2~9日目の有症状者に対して検査を行う場合には、陽性・陰性とも確定診断が可能だが、発症10日目以降の有症状者で陰性と判定された場合には、確定診断を行うには追加でPCR検査を行う必要がある(関連記事)。なお、有症状者の唾液検体を用いた抗原定性検査については、検査メーカーにおいて大学と共同研究中、無症状者に対する検査については共同研究予定としている。

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