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日医が医師会病院の経営状況を報告
新型コロナ受け入れ病院の3~5月医業利益は大幅に落ち込み

 日本医師会は7月8日の定例会見で、新型コロナウイルス感染症COVID-19)影響下における医師会病院の2020年3~5月通算経営状況調査結果(確定版)を発表した。2020年3~5月の医業利益率は全体で-12.0%となり、前年同期の-1.3%から大きく低下した。COVID-19患者を受け入れている病院では-21.5%(前年は-6.4%)と、大幅に落ち込んだ(図1)。日医会長の中川俊男氏は「医療機関経営の影響は深刻だ。感染の状況が改善されたとしても、受診控え、検診控えは容易に回復しないと見込まれる」と述べ、政府に追加的支援を求める考えを示した。

図1 医師会病院における医業利益率(日本医師会「新型コロナウイルス感染症の病院経営への影響─医師会病院の場合─」より、図2、図3とも)

 調査はメールで実施。対象は72の医師会病院で、うち58病院(回答率80.6%)から回答があった。平均病床規模は、許可病床数200.3床、稼働病床191.7床。全体のうちCOVID-19患者対応病床が「あり」と答えたのは28病院(48.3%)で、病床数の平均は230.9床。COVID-19対応用に確保した病床は8.5床(3.7%)だった。実際に入院患者が「あり」だったのは14病院で、月平均入院患者数は6.4人となった。

 全体の医業・介護収入は前年同期比で10.1%減だった(図2)。入院診療収入が大きく寄与した一方、療養病床6割以上の病院では外来診療収益の減少が影響したとしている。医業収入についてCOVID-19入院患者の有無で分けると、「なし」の9.0%減に対し、「あり」の病院は11.3%減。5月に限ると対前年同月比約2割減まで落ち込んだ。

図2 医師会病院における医業・介護収入(前年同期比)

 入院・入院外を合わせた3~5月通算の総件数は17.2%減、総実日数は13.6%減、総診療報酬点数は8.9%減だった(いずれも前年同期比、図3)。入院総件数はCOVID-19対応や予定入院の延期などを背景に、全体で13.9%減。COVID-19患者「あり」の病院に限ると16.6%減で、「なし」の病院(12.1%減)に比べて落ち込みが目立った。全体の入院外はCOVID-19患者の有無に関わらず、外来受診控えや職員の感染による外来の一部休止などを受け、前年同期比で総件数17.7%減、総実日数17.9%減と大きく下がった。

図3 医師会病院における総件数、総実日数、総点数(前年同期比)

 算定回数は、前年同期比で初診料は36.5%減、再診料または外来診療料は23.8%減だった。初診料の算定回数が2割以上減少したのは、COVID-19入院患者「あり」の病院全て、地域医療支援病院の約9割だった。一方で前年はほとんど算定されなかった電話等再診は今年4月以降、算定回数が増加。3~5月の間に実施した病院は約8割に上った。

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