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緊急調査◎医師4074人に聞いた「外来患者は戻ってきましたか?」
いまだに46.5%で患者減、60%が減少の診療科も
COVID-19を恐れた受診控えで、疾病の重症化を懸念する声も

地域的には関東、中四国での患者減が目立つ

 ブロック別に患者数の動向を見たのが図4。「減っている+外来停止」の割合が最も多いのは関東で49.1%だった。これに中四国(48.9%)が続くが、この2ブロックが全国平均の46.5%を上回った。

 「減っている+外来停止」の割合が関東で多いのは、東京都(53.8%)を筆頭に、栃木県(51.1%)、千葉県(50.0%)、群馬県(48.3%)、埼玉県(47.3%)で軒並み全国平均を超えているからだ。一方の中四国は、愛媛県(64.3%)が都道府県で唯一、60%を超えている。徳島県(56.5%)や岡山県(51.9%)、広島県(51.5%)も多い。

図4 ブロック別に見た患者数の動向(6月調査。それぞれの診療科で「外来診療を担当していない/昨年と比較できない」を除いた回答数を母数とし、カッコ内に示した)

精神科で目立つ「変わらない」

 逆に、「変わらない」の割合が51.9%と多く、COVID-19の影響が小さいと考えられたのが精神科だ。腎臓内科と糖尿病科がそれぞれ46.6%、代謝・内分泌内科が44.8%、一般外科が43.2%と続く。

 変わらない理由としては、「処方制限日数があるため受診間隔を変えられないケースがほとんど」(精神科、30歳代、愛知県)や、「予想外にCOVID-19による不安などの患者が増えなかった」(精神科、30歳代、長野県)という意見があった。

「患者が増えた」が多いのは眼科や皮膚科

 患者数が昨年同月比で「増えている」という回答が一番多かったのは、眼科(34.4%)だった。皮膚科が32.7%、救急科が30.8%で続く。

 「自覚症状があり、どうしても受診しないといけない患者さんは来院するようになりました」(眼科、50歳代、福岡県)や「コロナの影響を気にしなくなった方が多いのではないでしょうか」(眼科、40歳代、大阪府)、「新型コロナウイルス感染症の減少が原因」(皮膚科、50歳代、愛知県)、「病院に来ても大丈夫という安心感」(皮膚科、40歳代、愛知県)などが、「増えている」理由として挙がった。中には「経済活動が再開したため」(救急科、30歳代、大阪府) との見方もあった。

 以下に、「減っている」と「外来停止」の割合が上位の診療科ごとに、主な意見を紹介する。

<小児科医の声>
・5月は前年比70%~50%減だった。6月は、まだ戻りきっていない。軽症患者ほど来院せず、中等症でもファクス処方を使って対応している。明らかに、来院して新型コロナウイルスに感染するのを避けているのだと思う。流行が落ち着くにつれて再び予約が増えているので、来院による感染を恐れての受診抑制だと思う(60歳代、神奈川県)。
・患者さんの保護者が安易な受診を控えるようになったのが影響している(60歳代、神奈川県)。
・学校検診がまだ行われておらず、長期処方を行っていることに患者の受診控えも重なって患者が減少している(50歳代、長崎県)。
・患者さん本人や患者さんの親に確認することが多いですが、新型コロナウイルスに感染する怖さがあるために受診を控えているケースが多いようです。内科の患者さんは、長期処方が影響していると思います(60歳代、兵庫県)
・受診控えというよりは、疾患自体が減った影響が大きいと考える(40歳代、愛知県)
・軽症での受診が減った(50歳代、宮城県)。
・夜間の救急外来受診数は減っている(40歳代、福岡県)。
・人と人との接触が少なくなったことで圧倒的に感染症が減っている。当初は受診控えも影響していると思ったが、受診控えというより、病気の子どもがそもそもいない(50歳代、福岡県)。
・休校などの影響で患者数はかなり減少していたが、数週間前が底で現在は回復傾向にある(50歳代、高知県)
・患者が来院するようになった。ワクチン接種もゆっくりだが増加傾向にある(70歳代、東京都)

<耳鼻咽喉科医の声>
・開業医からの患者紹介が減った(50歳代、大阪府)。
・当院は長期処方希望の人には2カ月処方としていますが、それが影響しているとは思えません。患者さんが極度に医療機関や診察室の空間を怖がっているという印象を受けます。薬は欲しいけれど診察室には入りたくないと言われたり、病院はうつるから危ないから行きたくない、などと言われます(40歳代、東京都)。
・新規患者の減少が目立ちます(50歳代、埼玉県)。
・感染を恐れて患者さんが受診を制限しているのが影響。徐々に回復している(60歳代、新潟県)

<整形外科医の声>
・「腰が痛い気がする」などの理由で受診していた不要不急の外来受診が減った(50歳代、神奈川県)。
・受診控えをしていた患者が、緊急事態宣言が解除されてから少しずつ戻っている。最大30%減だったのが10%減にまで回復した(60歳代、愛知県)
・軽症患者が来院を控えている(30歳代、福岡県)。
・感染を警戒して高齢者の患者さんが激減しました(50歳代、宮崎県)。
・高齢者は自粛している傾向が強い。若者とくに学生や生徒は体育や部活がなくなり、骨折や外傷が減っている(60歳代、佐賀県)。
・コロナの影響でまだリハビリ通院患者が戻っていない(60歳代、山形県)。

<呼吸器内科医の声>
・呼吸器内科を標ぼうしているため、患者がCOVID-19の感染を恐れて敬遠している(50歳代、大阪府)。
・患者自身の受診控えを感じる。感染対策の徹底で結果的に季節性感冒への罹患率が低下している可能性も考えられる(30歳代、福岡県)
・COVID-19の患者が入院しているため、他の患者さんに受診抑制がかかっている(50歳代、滋賀県)。
・患者さんが自主的に不要不急の受診を控えている(50歳代、東京都)
・COVID-19が心配な高齢患者と、感染を心配する家族の過剰防衛反応が強い(40歳代、東京都)。

<救急科医の声>
・患者が自発的に来なくなったことと、不要不急の手術を先送りとしているため(30歳代、愛知県)。
・一般的な内科救急の軽症者は受診しなくなったが、精神救急は受診数が増加している気がする。結果的には全体でみれば外来受診人数は少しだが減少している(30歳代、宮城県)。
・不要不急の受診はやはり減少したと思われる(20歳代、兵庫県)。

<一般内科医の声>
・患者が自発的に来なくなったことが大きい(50歳代、京都府)。
・明らかに受診控えはある。特に小児と高齢者。逆に言うと、今まで来なくてよかった人もいるのではないか。処方の長期間化の影響もある。定期受診に来なくなった人もいる(40歳代、東京都)。
・慢性疾患の人でコントロールの悪い人ほど来なくなった。一部で長期処方もしている(40歳代、広島県)。
・定期通院患者はあまり変わらないが、初診患者が減少した。感冒や、いわゆる不要不急の受診などが減った(40歳代、愛媛県)。
・電話およびオンライン再診のために検査が減った(60歳代、長崎県)。
・自発的に来ない方が増えた印象です。薬を飲んでいないと思われるので、今後病状の急激な悪化が無いか心配です(30歳代、東京都)。
・自院の場合、かかりつけ患者数の減少ではなく受診数の減少によるもの。慢性疾患では処方日数を30日から60日に長期処方にしたため。アフターコロナ時代もこれでいいと思うし、オンライン診療も取り入れて通院にかかる費用を減らしてあげたい(60歳代、山口県)。
・院内感染を危惧して、受診を控えるようになっている。また、長期投薬を希望する患者が増加した(50歳代、奈良県)。

■調査概要 日経メディカル Online医師会員を対象にウェブアンケートを実施。期間は2020年6月22日~28日で、回答者数は4325人。内訳は、病院勤務医70.3%、開業医14.4%、診療所勤務医13.2%など。集計対象者(4074人)の内訳は、20歳代3.4%、30歳代16.5%、40歳代24.0%、50歳代32.4%、60歳代20.2%、70歳代3.0%、80歳以上0.5%。

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