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トピック◎オックスフォード大学のRECOVERY試験
デキサメタゾン、COVID-19重症例の死亡を減少

写真1 オックスフォード大学がウェブサイトでRECOVERY試験の結果を発表

 オックスフォード大学が主導しているRECOVERY(Randomised Evaluation of COVid-19 thERapY)試験の結果、ステロイド系抗炎症薬であるデキサメタゾンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症例の死亡を減少させることが明らかになった。オックスフォード大学が6月16日、同大のウェブサイトで公開した。

 3月に始まったRECOVERY試験には、英国内の175の医療機関が参加し、1万1500人の患者登録を目指している。デキサメタゾンに関する試験では7月をめどに初期の結果を発表する見込みだったが、6月8日に治験実行委員会が薬剤に有意義な効果があるかどうかを確認するのに十分な患者が登録されたと判断。デキサメタゾン群への登録が早期中止となり、今回の発表に至った。

 RECOVERY試験では、デキサメタゾン6mgを1日1回(経口または静脈内注射)、10日間投与するデキサメタゾン治療群(2104人)と標準的治療を行う標準治療群(4321人)の間で行われた。

 オックスフォード大学の発表によると、治療開始から28日間の標準治療群の死亡率は、人工呼吸器を装着した患者で41%、酸素吸入のみの患者で25%、呼吸器への治療介入を必要としなかった患者で13%だった。

 一方、デキサメタゾン治療群では、人工呼吸器装着患者の死亡は3分の1少ない27%(リスク比:0.65、95%信頼区間:0.48-0.88、p=0.0003)で、酸素吸入のみの患者の死亡は5分の1少ない20%(リスク比:0.80、95%信頼区間:0.67-0.96、p=0.0021)だった。ただし、呼吸器への治療介入を必要としなかった患者の死亡にはデキサメタゾンの効果を認めなかった(リスク比:1.22、95%信頼区間:0.86-1.75、p=0.14)。

 これらの結果に基づくと、人工呼吸器装着患者の約8人に1人、並びに酸素吸入のみの患者の約25人に1人が、デキサメタゾンで救命できる計算になるという。

 オックスフォード大学は、できるだけ早く詳細な結果を公開する意向だ。

デキサメタゾンは重症患者の標準治療になる

 RECOVERY試験の主任研究者の1人であるPeter Horby氏(オックスフォード大学ナフィールド医学部教授)は、こうコメントしている。

 「デキサメタゾンは、COVID-19の生存率を改善することが示された最初の治療薬だ。これは非常に歓迎すべき結果である。酸素治療を必要とするほどの患者の生存利益は明らかに大きく、デキサメタゾンはこれらの患者の標準治療になるはず。安価であるデキサメタゾンは、すぐに使用でき、世界中でCOVID-19患者の命を救うことができる」。

■参考文献
Dexamethasone reduces death in hospitalised patients with severe respiratory complications of COVID-19(University of Oxford)
First drug to reduce mortality in hospitalised patients with respiratory complications of COVID-19 found(NIHR)

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