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NEWS◎COVID-19の影響を日本脳卒中学会が緊急調査
全国で2割の脳卒中センターが救急診療に影響
東京都、埼玉県は「影響あり」が5割超

 日本脳卒中学会は6月5日、今春の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が脳卒中救急医療に与えた影響を緊急調査し、その結果を公表した(こちら)。同学会が認定する全国の一次脳卒中センターを対象に行ったもので、通常の救急応需が可能と回答した施設は77.8%にとどまり、21.5%の施設には何らかの制限が生じていた。COVID-19患者数が多い都道府県ほど脳卒中救急医療に制限が生じた施設の割合は高く、地方ごとに集計すると、特定警戒都道府県を含む地方では一次脳卒中センターの3割が、救急応需停止または救急診療に制限が生じていた。

 同学会は今回、全国に緊急事態宣言が発令されていた期間の脳卒中救急医療体制について、通常時との差異を尋ねた。調査は2020年5月11日に行った。対象とした一次脳卒中センターは、全国の922施設。うち806施設から回答を得た(回答率87.4%)。一次脳卒中センターとは、24時間365日、脳卒中の急患を収容でき組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)治療が可能な、脳卒中救急医療の要となる施設といえる。

 調査の結果、77.8%は通常と同様の救急応需が行えていたが、21.5%は何らかの診療制限がかかっていると回答、21施設は救急応需を停止していた。救急応需を停止した施設は、患者数が多かった特定警戒都道府県に集中していた。

 都道府県別にみると、通常通りの脳卒中救急に応需できていない施設(救急応需停止または診療制限ありと回答した施設の和)の割合が最も高かったのは東京都で、東京都と埼玉県は50%を超えていた。COVID-19累積患者数と通常通りの脳卒中救急に応需できていない施設の割合には相関があり、累積患者数が多い都道府県ほど、機能が制限されている施設の割合が高かった。

 これを地方別に集計すると、北海道28.9%、東北0%、関東29.0%、中部11.0%、近畿26.2%、中国・四国5.1%、九州15.7%となり、特定警戒都道府県が含まれる北海道、関東、近畿では、機能制限のある施設が3割近くに及んでいた。

 脳卒中救急医療体制を維持し、本来救うことができるはずの脳卒中患者を守るためには、再度の患者多発による医療崩壊の発生を防ぐことが不可欠として日本脳卒中学会では、学会として引き続き力を尽くすと表明。加えて、行政に対しては流行の再拡大を起こさない対策の実施や医療機関への支援を、また国民には感染予防策の継続を求めた。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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