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トピック◎日本医師会調査で半数の都道府県が「問題あり」
手指消毒用エタノール供給、高額とキャンセルも

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の一環として、国が進めている医療機関などに対する手指消毒用エタノールの優先供給について、47の都道府県医師会のうち半数を超える25の医師会が「何かしらの問題があった」と回答。中には、濃度が低い、値段が高いなどの理由で会員医療機関が買取をキャンセルした事例もあった。日本医師会が5月29日時点でまとめた実態調査で明らかになった。

 優先供給は、手指消毒用エタノールの国内需給が逼迫し、医療機関や高齢者施設による購入あるいは都道府県の備蓄に基づいた対応では需要を賄うことが困難な事態に対応するため、国が都道府県からの申し出に基づいて各メーカーに優先供給を要請するもの(図1)。厚生労働省が3月に関連通知を発令。各都道府県は関係機関の必要量を把握の上、厚労省に申し出を行い、各メーカーの協力のもとで優先的な供給を受ける段取りとなっていた。

図1 医療機関などに対する手指消毒用エタノールの優先供給の仕組み

 そんな中、5月8日に開催された日医の第11回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会の席上、消毒用エタノールの優先配布に関して「高額な品物が代引きで送られてきている」と改善を求める声が上がっていた。

 こうした事態を受けて日医は急遽、5月15日に優先配布の実態調査を実施。5月29日までの結果を速報として発表した。それによると、47都道府県医師会の半数以上の25医師会から「何かしらの問題があった」と回答があった。「問題」の詳細を明らかにするため追加調査を行った結果、17医師会から以下のような様々な事例が報告された。

○行政との連携について
 ・国または都道府県からの情報共有及び周知が徹底されていなかった
 ・国による必要量調査の期限が短すぎる
○発注方法について
 ・優先供給スキームの2回目から導入されたWeb発注の対応が難しい医療機関がある
 ・Web発注について医師会(群市区含む)が発注を代行している
○納品時期について
 ・納品時期が遅い、不明確
 ・高濃度エタノールの無償配布について多数の医療機関から問い合わせがあった
 ・優先供給スキームの1回目の配布が実施されていない状況で、2回目の優先供給スキームや高濃度エタノール無償配布のための調査が行われたため、混乱が大きくなった
○価格について
 ・優先供給スキームにおける手指消毒用エタノールが高い
 ・地方行政が費用を負担していた
 ・必要量を多く見積もったためにより高額となった
○返品について
 ・価格が高い、濃度が低いなどの理由でキャンセルの申し出があった
 ・キャンセルのあった施設における買い取り費用を医師会で負担した

 日医としては、実態調査の結果を基に、手指消毒用エタノールの優先供給が抱える問題点の改善を求めていく方針だ。

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