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Diabetologia誌から
糖尿病合併COVID-19患者の予後不良因子は
BMIが関連するもHbA1cは有意にならず

 基礎疾患として糖尿病があるCOVID-19患者を対象に、予後不良(入院7日目までの気管挿管または死亡)と患者背景因子の関連を検討した論文が、5月29日、Diabetologia誌ウェブサイトで公開された。7日以内の気管挿管が20.3%、同死亡が10.6%と高率であり、多変量解析ではBMIが有意な予後不良因子となったが、HbA1cや糖尿病治療薬の種類、糖尿病合併症などとの関連は見られなかった。

 糖尿病はCOVID-19重症化に影響する主要な併存疾患であることが早くから指摘されていた。これまでの報告で、ICUに入院しているCOVID-19患者では、より軽症な患者と比較して糖尿病罹患率が2~3倍高いこと、糖尿病を合併する場合は死亡率が高いことなどが示されている。しかし、糖尿病合併COVID-19患者を対象とした詳細な検討は報告されておらず、COVID-19の重症化と糖尿病の関連について、詳細は不明だった。

 本研究は、COVID-19で入院した患者における糖尿病関連因子の詳細と予後を明らかにするために行われた。2020年3月10日~31日に、フランス国内の53の病院にCOVID-19と診断されて入院した糖尿病患者(入院時に糖尿病と診断された患者も含む)中、入院後7日間のデータが確認できた1317例を解析対象とした。患者背景は2型糖尿病88.5%、男性64.9%、平均年齢69.8歳、BMI 28.4などだった。

 COVID-19の重症化に関連した因子を推定するため、多重ロジスティック回帰分析を行った。主要評価項目は入院後7日以内の人工呼吸器管理のための気管挿管または7日以内の死亡とした。

 主要評価項目は382例(29.0%)に発生した。内訳は気管挿管が267例(20.3%)、死亡が140例(10.6%)だった(重複あり)。410例(31.1%)が入院中にICU管理になり、7日目までに退院できた患者は237例(18.0%)にとどまった。

 単変量解析では、BMI、性別(男性)、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の使用が、主要評価項目と有意に関連した。しかし、多変量解析では、主要評価項目と有意に関連した因子はBMIのみで、年齢、糖尿病の分類、HbA1c、糖尿病合併症、糖尿病治療薬を含めた併用薬の種類なども有意な関連は見られなかった。

 入院後7日以内の死亡に特定した場合は、年齢が関連し、75歳以上では55歳未満と比較してリスクは14倍高かった。また、細小血管症または大血管症などの糖尿病合併症や、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の既往も、7日以内の死亡リスクに関連していた。

 著者らはdiscussionの中で、本研究が糖尿病合併COVID-19患者を対象に予後不良因子を検討した初めての報告であることを強調。また、主要評価項目と有意な関連を認めた因子がBMIだけだった点については、主要評価項目が気管挿管と死亡の複合であり、BMIは特に気管挿管との関連が強かったことを指摘している。実際、死亡のみでは有意な関連を認めず、肥満とCOVID-19重症化の関連は、さらなる研究が必要だとした。

 加えて、糖尿病の罹病期間が長く糖尿病合併症が進行した高齢患者や、OSAの既往がある糖尿病患者では、COVID-19を発症した場合に死亡リスクが高いことから、新型コロナウイルスに感染しない管理が求められると著者らは述べている。

論文:
Cariou B. et al. Phenotypic characteristics and prognosis of inpatients with COVID-19 and diabetes: the CORONADO study. Diabetologia. 2020. https://doi.org/10.1007/s00125-020-05180-x.

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