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NEWS◎日本病院会など3団体がCOVID-19の経営影響度を緊急調査
特定警戒8都道府県の初診患者半減、手術2割減

 全国の病院の2020年4月の初診患者数は前年より42.1%減り、医業利益率は10ポイント減──。日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会が5月18日に発表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(速報)」の結果から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が病院経営に大きな打撃を与えていることが明らかになった(日本病院会のサイトを参照)。

 調査は5月7日から5月15日にかけて、3団体に加盟する全病院(4332病院)を対象にメールにより実施した。有効回答数は1141病院、有効回答率26.3%。病床規模別の内訳は200床未満が55%、200~499床が34.4%、500床以上が10.6%。COVID-19への対応状況は、実際に入院患者を受け入れた病院が26.3%、受け入れに伴う一時的な病棟閉鎖があった病院(一時的病棟閉鎖病院)が13.7%だった。

 前年同月と比べた2020年4月の状況は、以下の通りだ。

 4月の医業利益率は、有効回答全病院(n=1049)で見るとマイナス9%で、前年比10ポイント減、COVID-19患者入院受け入れ病院(n=269)はマイナス11.8%で12.2ポイント減、一時的病棟閉鎖病院(n=146)ではマイナス16%で15.7ポイント減となった。また特定警戒都道府県の状況を見ると、13都道府県(北海道、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、石川、京都、大阪、兵庫、福岡:n=589)の病院の医業利益率はマイナス11.6%で12.1ポイント減、8都道府県(北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫:n=413)に絞るとマイナス12.6%で13.6ポイントの減少となった。

 外来患者については、4月の外来診療日数は前年の23日から24日へと1日増えたにもかかわらず、有効回答全病院(n=1134)の外来患者延べ数は19.7%減、初診患者数は42.1%減少した。特定警戒8都道府県(n=451)ではさらに減少幅が大きく、外来患者延べ数は23.5%減、初診患者数は48.1%減り、ほぼ半数となった。

 病床利用率は、有効回答全病院(n=1094)で82.2%から75.9%となり6.3ポイント減。減少幅はCOVID-19患者の入院を受け入れた病院でより大きく、受け入れ病院全体(n=293)で78.2%から67.1%へと11.1ポイント減、一時的病棟閉鎖病院(n=153)では79.7%から67.5%へ12.2ポイントの減少となった。特定警戒8都道府県(n=436)の病院全体では82.5%から75.3%へと7.2ポイントの減少だった。

 手術件数や救急受け入れ件数も全国的に減少し、有効回答全病院(n=1141)の1施設当たりの手術件数は156件から128件へと17.9%減、救急車受け入れ件数は127件から98件へと22.8%の減少となった。特定警戒8都道府県(n=454)では前者は21%の減少で、後者は24.3%減少した。

 調査を実施した3団体は、全国の病院の外来・入院患者が減少する中、「地域医療を継続するためには様々な支援が必要」とした。とりわけ、COVID-19患者の入院を受け入れた病院の経営状況悪化が深刻であり、「緊急的な助成がなければ、今後の新型コロナウイルス感染症への適切な対応は不可能となり、地域での医療崩壊が強く危惧される」としている。

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