日経メディカルのロゴ画像

NEWS◎緩和ケア病棟へタブレット端末を届ける
COVID-19下で終末期患者の家族面会実現を目指すクラウドファンディング

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、多くの緩和ケア病棟において家族面会が中止・制限されている。そんな状況を受け、家族との面会が困難となっている終末期患者のために、タブレット端末を用いた家族面会を普及することを目指すクラウドファンディングが開始された。支援募集は6月30日まで、目標金額は300万円。代表は永寿総合病院がん診療支援・緩和ケアセンター長の廣橋猛氏が務める。

 本クラウドファンディングでは、(1)緩和ケア病棟へのタブレット端末寄贈(目標達成で20施設への寄贈が可能)、(2)テレビ電話での面会を実施しやすくするための仕組み・マニュアルを作成し、テレビ電話面会を普及させる、(3)テレビ電話面会を実施する施設から聞き取り調査を行い、利点や限界を研究──を活動内容としている。

 クラウドファンディングによってテレビ電話面会の環境構築を目指した理由は、電話だと顔が見えないためお互いの状況把握が不十分となること、特に高齢患者ではスマートフォンを持っていなかったり小さい画面では見えなかったりするケースも少なくなく、テレビ電話のためのタブレット端末を用意する必要があること、現状ではテレビ電話面会の必要性が十分に認識されておらず病院側での設備投資が難しいこと、一医師による自己負担では多くの患者を救えないことなどが挙げられている。

 病棟内にWi-Fi環境がない施設があることも考慮し、SIMカードが使用できる機種を選択する。また、スマートフォンを持っていない家族に貸し出すという用途も想定。

 目標金額達成後のスケジュールは、以下が予定されている。

●2020年7月~
・賛同者の所属する施設にタブレット端末を配布
・テレビ電話面会のマニュアルを作成し配布

●2020年8月~
・テレビ電話面会の利点や限界に関する研究実施

●2020年9月~
・賛同者以外で希望する緩和ケア病棟へのタブレット端末配布
・緩和ケア病棟以外での利用の検討
・COVID-19治療病棟での利用の検討

 本クラウドファンディングへの賛同者である川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター腫瘍内科/緩和ケア内科医長の西智弘氏は「このプロジェクトは、単にタブレット端末を全国に配ることだけを目的としているのではなく、病院という場がデジタルとアナログの交点の1つとなり、あらゆる人がデジタルによってつながりを持つことができる社会への第一歩になる。ぜひこのムーブメントを応援してほしい」と語っている。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ