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医師5164人に聞いた「COVID-19院内感染対策、何をしていますか」
院内感染対策のベスト3は手洗い・マスク・換気
「入院患者にPCR検査実施」との回答も216人から

自由記述欄より(分かりやすくするため、表現は適宜修正しています)

・無症候性患者がいることを考慮すると、公費負担または保険収載による入院前の全例PCR検査が最重要課題と考える。心肺停止で搬送された患者に対するPCR検査と心肺蘇生をどこまで施行するか、さらに疑い症例にPCR検査を施行して、亡くなった場合のご遺体の保管方法も考えるべき。上記3点が当院での喫緊の課題と考えている。(50代病院勤務医、消化器外科)

・可能なことはすべてやる(50代病院勤務医、整形外科)

・患者隔離に必要となった場合に備えて、使用していない旧病棟の整備を行っている。(60代病院勤務医、一般内科)

・どれだけ徹底しても、いつかは入りこんでくるのではと不安になっている。コロナの場合、院内感染が起こった時に、決して不備があったとは言えないことをマスコミにも知ってもらいたい。(50代病院勤務医、一般内科)

・いろいろな施設で院内感染の報告があるが、単に同じ空間で仕事をしていたという以上の情報が不明である。今後の医療崩壊対策のためにも、感染してしまった医療従事者に聞き取り調査を行い、どのような行動が求められていたのかを示してほしい。(60代病院勤務医、整形外科)

・上記(問2)以外、不要不急の集まっての会議の中止、職員食堂や休憩室の席の配置変更、マスクを外しての私語厳禁などの張り紙をし、職員間の飛沫感染予防を徹底している。(50代病院勤務医、乳腺外科)

・何をどこまでやればよいのかが分からない。電話診療にすると採血ができないので悪化を見逃す可能性があり困るし、電話診療を全員に行うマンパワーもない。(40代開業医、代謝・内分泌内科)

・3密を作らない、標準予防策を徹底する、発熱患者の動線を分けるなどの対策を行っていれば、過度に恐れる必要はないと思う。(50代病院勤務医、小児科)

・明確な基準がなく、各病院任せなところがつらい。(40代病院勤務医、救急科)

・診療縮小に伴い業務が減っている診療科が多いが、その分、休みを増やしたりシフト制を敷くなど、院内感染対策として行うべきことを行っている部署は少ない。(20代病院勤務医、小児科)

・低リスクの場面でも医療材料が湯水のように使われており、もったいないと感じる。(50代病院勤務医、小児科)

・待合室の3密が避けられない。(20代病院勤務医、眼科)

・原則としてCOVID-19感染の疑いのある患者の診察は行っていない。発熱やかぜ症状、味覚症状などがある患者は、まず保健所に連絡してもらうようにしている。(60代開業医、一般内科)

・とにかく、政府の対策は後手に回っている。3カ月もたっているのに、検査体制が全くなっていない。必要物資も、国や地方自治体などをあてにできず、独自に必要物資を高価買入れしている。この状況にはとても立腹している。(60代病院勤務医、一般内科)

・コロナ対策の委員会を設置し、若い人をトップにして積極的に対策を講じている。(60代病院勤務医、脳神経外科)

・コロナ病棟に内科医師が1週間交代でローテートするようになったが、ローテート中は濃厚接触者でもないのに、病院内の医局や食堂などへの出入りが禁止になった。医療従事者(特にコロナの対応をしている者)への差別ではないかと感じる。(30代病院勤務医、脳神経外科)

・入院患者さんの外出を禁止した。家族との面会はタブレットPCを使用して、外来と病棟をWiFiでつなぐことでタブレットPCを介して会話してもらい、直接的な面会は断っている。(60代病院勤務医、精神科)

・電子カルテなどの接触感染が怖い。(60代病院勤務医、脳神経外科)

・現在COVID-19院内感染真っただ中です・・・。(40代勤務医)

・緊急時なので仕方ないが、バイトがなくなるのはきつい。(30代病院勤務医、麻酔科)

・内科系入院は胸部CT、外科系入院は事前にPCRを行っている。(50代病院勤務医、消化器内科)

・できるだけのことをしている。院内感染が発生すれば、病院がつぶれるかもしれない。(50代病院勤務医、一般外科)

・かぜ症状の患者さんは車の中か、院外の診察場で診るようにしている。息苦しさなどを訴える患者さんは、他の方と違う入り口から入ってもらい胸部X線写真を撮り、直ちに外に出てもらいレントゲン室の消毒をしている。コロナの疑いが強ければ、指定医療機関に紹介する予定。(60代開業医、一般内科)

・厚生労働省が施設(類型)に応じた対応マニュアルを作ってくれたらいい。臨床医と事務方でどうしても意見が分かれる。対立が起き、それがストレス。(50代病院勤務医、一般内科)

・COVID-19の影響で通常の手術や人間ドックが行えないため、病院は大赤字で厳しい経営になっている。(30代病院勤務医、一般内科)

・とにかく感染率が分からないのと、PCR検査の壁が高く、暗闇の中を竹槍持ってB29に対峙しているような気持ちである。後門にも「バイキン扱い」という敵がおり、精神的ストレスが半端ない!(50代開業医、一般内科)

・今、医療現場で医療従事者が新型コロナウイルスに感染してしまうという報告が後を絶たない。最大の原因は、医療用の個人防護具(ガウンやフェースシールドなど)が不足していること。今こそ、業種を超えて日本の企業が一致団結し、医療用防護具を作ってほしい。医療機関をクラスター化させず、感染の拡大と医療崩壊を防ぐためには、医療用防護具が必要。(60代病院勤務医、整形外科)

・予防策は行うべきだが、保険点数上のサポートがあるべきだ。(50代、一般外科)

・実際の感染の可能性はさておき、まずは濃厚接触者とならないことが大切。定義も変わったが、濃厚接触者がすべて2週間自宅待機となり、病院機能が著しく低下した経験から、全ての患者をコロナ陽性とみなした対応が必要。(40代病院勤務医、放射線科)

・感染状況が分からないため、いつまで今の状況を続けるべきかの判断ができない。(60代診療所勤務医、一般内科)

・現状はこのような予防策を取るしかないのだろうが、こうも疑心暗鬼な状態が当然となった風潮は、ひそかに悲しく感じている。(40代病院勤務医、小児科)

・過度の検査・手術自粛で不利益を被っている患者さんがいる。(20代病院勤務医、初期研修医)

・当院はへき地中核病院で、第二種指定感染症医療機関として陰圧病棟を持っているが、地域ではなく遠方のクラスター発生医療機関の感染者を収容することになり、現在満床の状態。そのため、地元の感染者や疑診者を受け入れることができない。また、系列病院のためか、病棟はあるのに動線の床への表示がないとか、シールドを自ら作るなどの自発的な動きがない。いよいよ強く提案すべきだと思っている。(60代病院勤務医、一般外科)

・自院は高齢の認知症の患者さんがほとんどのため、院内にコロナが入ると収拾がつかなくなると感じている。持ち込まないよう職員の健康チェックにも気を付けてはいるが、無症状者が多いとのことで、それにも限界がある。また、マスク、消毒薬、ガウンなどの個人防護具の供給が困難であり、早期の解決が望まれる。(50代病院勤務医、一般内科)

・外勤先の小さな病院では、地域性なのか同居家族のコロナ感染が疑われても検査を受けたがらない高齢者が多い。クラスターの発生や介護者が発熱して初めて高齢者に検査するといった流れになるため、肺炎が進行していれば、その時点では病院も受け入れにくい。(40代病院勤務医、一般内科)

・PPEがいつなくなるか毎日不安。医師会からN95マスクとガウンが支給されたが、2枚ずつ、しかも使用期限が切れていた。「発熱の患者さんの診察は各医院先着2名様限定にしてください」という医師会からの暗黙のメッセージではないかと思ってしまった。また、医師会から支給されたマスクは、箱全面が中国語表記。しかも、中国語で「医療用には使えません」と記載されている。不安があり、今のところ備蓄用に回しているが、そのマスクを使用する日も近い。(40代開業医、耳鼻咽喉科)

・体温測定で37℃以上は駐車場のテント外来での診療となった。医師は、キャップ、フェイスシールド、マスク、グローブ、ガウンを装着し、対面ではなく90度の角度をつけて診療している。(60代病院勤務医、総合診療科)

・発熱やかぜ症状は電話にて受付、問診後、駐車場待機。診察と会計は発熱診察室で手短かに。門前薬局へ処方箋をファクス。薬局から患者さんへ電話し、薬局滞在時間も短縮するように指導している。(40代開業医、一般内科)

・個人防護具をまずコロナ対策に使用するため手術を制限しており、外科系医師が手術できず不満が高まっている。(50代病院勤務医、臨床検査科)

・職員で発熱、頭痛、倦怠感のある人は14日間自宅療養としている。人手不足のため診療時間を縮小した。周辺医療機関は木曜休診がほとんどで、日ごろ受診していない人がネットを見て午後の診療に駆け込んでくるため、木曜午後はリスク軽減のため休診とした。減収となるがゴールデンウイーク中は4月29日より5月8日まで休診とした。定時受診者には電話連絡し休診を周知した。検診は基本的に全て中止した。ただし契約で断れない方は、診療時間外で対応している。(60代開業医、一般内科)

・COVID-19が本格的になってもまだ病院上層部の動きは鈍く、医局から要望を出してようやく事務方が動くという流れが当たり前になっている。病院に守られることはない、自分で自分の身を守らなければならないことを実感した。(40代病院勤務医、消化器内科)

・地区医師会で必要性が高いと判断した患者にPCR検査をできる体制を作り、その後の道筋を作る取り組みに期待している。(60代診療所勤務医、一般内科)

・耳鼻咽喉科では患者のマスクを外して口腔内を見ざるを得ない。できる限りの対策はしているが、感染を防げるかは運次第のようなところがある。(60代開業医、耳鼻咽喉科)

・整形外科なので不急の受診がまだ多い気がする。電話診療も開始したが、受診そのものを抑える啓発が必要だと思う。(40代病院勤務医、整形外科)

・院内でクラスターが発生した。それまでも、そこそこは感染防御策を行っているという認識だったが、やはり接触感染は恐ろしい。(40代病院勤務医、皮膚科)

・エアロゾル感染を空気感染とみなす人と、空気感染はないと主張する人がいて、意見が平行線。院内の感染制御に携わる人の意識によって防御方法に差が出てくる。(40代病院勤務医、一般内科)

・こちらがどれだけ気を付けていても、診察室に入ってから「実は熱があった」、「かぜ症状がある」などと言う患者が一定数おり、対策徹底の難しさを痛感する。(40代病院勤務医、代謝・内分泌内科)

・対策を徹底していても別疾患で救急搬送、緊急入院した患者が、実は感染していて、入院後に発症、既に院内感染が広がっていた。どれだけ注意しても防止しきれないと思う。(50代病院勤務医、脳神経外科)

・療養、看取り型の病棟では、積極的な検査もできず、熱発も日常茶飯事なので、なかなか新型コロナ感染の有無を判じがたいし、判明しても現状以上の対応は難しい。(60代病院勤務医、一般外科)

・各科に応じた対策が必要。当科はがん患者さんが毎日通院治療をされるため、デリケートに考えている。(30代病院勤務医、放射線科)

・ネブライザー吸入など肺機能検査も含めて大きな呼吸を伴う処置や検査は中止した。喘息外来が満足に実施できないでいる。これも1つの医療崩壊だと思う。(60代病院勤務医、小児科)

・かぜ症状や発熱がある患者は診療時間外に防護具を装着して別室で診察しているが、慢性疾患の再診患者が無症状の感染患者だったら、個人防護具を含め全く予防策を講じていない状態なので感染を起こす危険はある。しかし、受診患者全員を感染者と想定しての診療は不可能である。(60代開業医、一般内科)

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連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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