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NEWS◎自宅療養中の患者のフォローアップおよびオンライン診療の項目追加
COVID-19のプライマリ・ケア医向け手引き改訂

 日本プライマリ・ケア連合学会は4月30日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」を改訂した。本手引きは、診療所や小病院などの医療資源が制限された状況下で、感染拡大を抑止し、重症化のおそれのある患者をすくい上げることを目的に作られたもの。嗅覚・味覚異常や発症前から感染源となるリスク、血液およびX線検査所見、陰性証明書の扱い、復職基準などが追記され、新たに判明した知見に合わせて内容がアップデートされている。

 最も大きな変更は「無症状者および軽症者をフォローする」「オンライン診療」の2項目が新設された点である。前者では自宅あるいは宿泊施設療養中の患者のフォローアップについて取り上げている。これは、症状が悪化した場合などに患者を適切に医療機関へつなぐためのもので、その内容としては(1)1日2回を目安にして遠隔にて患者の健康状態を把握するとともに患者からの相談を受ける、(2)症状変化に備えて患者に連絡先を伝えておく、(3)症状悪化時に速やかに適切な医療機関を受診できる体制を整備、(4)自宅あるいは宿泊施設療養を開始後14日経過したら療養を解除──といったことが盛り込まれている。

 後者では、初診からのオンライン診療が特例的に認められ、COVID-19疑い例と確定例の一部に対してオンライン診療が実施できるようになったことに触れ、オンライン診療の準備段階として「電話もしくはビデオ通話機能のある情報通信機器」「調剤薬局との調整」「決済方法の整備」の3つを挙げている。その後の具体的な流れは(1)被保険者証の写しをFAXまたは電子メールで患者から医療機関に送付することで予約調整、(2)医療機関から患者へ発信し、お互いに本人確認した上で診療録などから患者の基礎疾患を把握、(3)オンライン診療によって生じ得る不利益について説明した上で、医学的助言および処方に関する説明を行い、急変時の受診先を指示(合意を得て説明内容を診療録に記載)、(4)FAXなどにより医療機関から薬局に処方箋を共有、(5)決算──となる。

 また、より早期にCOVID-19を診断するため、COVID-19を疑って鑑別に挙げるべき状況を以下に更新した。

・地域で新型コロナウイルス感染症が流行している状況において、上気道炎または肺炎の患者を認めたとき
・新型コロナウイルス感染症の患者との接触歴がある、または国内外の流行地域からの渡航歴があるとき
・他に診断のつかない肺炎を認めたとき

 他に、厚生労働省による「相談・受診の目安」を改変し、新型コロナ受診相談センター(従来の帰国者・接触者相談センター)への連絡に至る前に、かかりつけ医によって感染可能性に応じた患者のふるい分けが行われることで同センターへの負担軽減が図られている。加えて、新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増えたときには同センターだけでなく、かかりつけ医が相談・受信先として受け皿となり、地域の医師会などが運営するコロナ検査センターにおけるPCR検査へとつなげることも説明されている。

 今回の改訂のポイントついて、Version 1.0の時点から取りまとめを手掛けているマイファミリークリニック蒲郡(愛知県蒲郡市)院長の中山久仁子氏は以下のようにまとめている。

・新たに分かった新型コロナウイルスについての情報を更新
・感染が広がるにつれて、一般の医療機関でも感染が疑われる人を診察したり、感染している軽症者をフォローする機会が出てきたりしている。患者さんを適切なタイミングで必要な医療につなげることが、プライマリ・ケアの重要な役割の1つであるため、「無症状者および軽症者をフォローする」「オンライン診療」の項目を追加した
・COVID-19の患者数が多い地域とそうでない地域では受診の方法が異なるため、両方の受診の流れを示した

 なお、日本プライマリ・ケア連合学会は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院におけるプライマリ・ケアのための情報サイト」もまとめ、最新情報を盛り込んでアップデートしている。

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