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トピック◎新型コロナウイルス感染症・PPE不足
透明ポリ袋を被ってでもCOVID-19をトリアージ

COVID-19初期症状を確認するバイタルチェック表も

 「透明ポリ袋で感染防御」のきっかけを発信した安藤潔氏自身も、発熱などの疑い例を診察する際に、両背部に直径15〜20cmくらいほどの穴を開けた45L用の透明ポリ袋を頭から被り、キャップでずれないようにした上で診察に臨んでいる。診療所ではPPEが入手困難であるため、こうした工夫は欠かせないからだ。

 疑い例の診察の流れはこうだ。まず事前に電話で、診察日と時間を予約してもらう。その際、受付と医師自身の問診で、咽頭痛や咳、痰、呼吸苦、倦怠感、悪寒、筋肉痛、下痢のほか、嗅覚や味覚の異常も確認する。これは、診察室での問診時間を極力短くするためであり、また症状によっては直ぐに受診とせず、自宅待機として電話再診による経過観察とするためだ。

 来院時には、一般の患者との動線を分けるため、診察室から直接外に出られる救急用非常扉から入ってもらう。診察ではまず、患者のSpO2、脈拍を確認。その後、患者にも同様の透明ポリ袋を被ってもらい、キャップをその上から被って袋がずれないようにする。診察室は、扇風機で患者の正面から後ろの窓へと風の流れを作っており、たとえエアゾルが発生しても背部の穴から入り込むことを避けられる(写真2)。

 診察では、口腔内、頸部所見、心雑音、腹背部叩打痛、手指関節、下肢所見を数分で診ている。「全体として1人当たり20分ぐらいの診察だが、今のところ問題なく診療を行えている」。こう話す安藤氏は、肺炎の疑いがある患者にはCT検査も実施し、COVID-19の早期発見にも努めている。「トリアージは開業医の役割」と考えるからだ。

 また、COVID-19初期症状については、A4版のバイタルチェック表(写真3)を作り、患者に手渡して日々の状態を記入してもらっている。PCR検査が必要になった時や、仮に施設療養あるいは入院となった場合でも、このバイタル表を持参してもらうという。患者の自覚症状を見逃さないだけでなく、症状のデータを他の医師らと共有する狙いがある。

写真2 疑い例の診察に使う道具類

写真3 患者が毎日記入するバイタルチェック表

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連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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