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大震災の現場から Vol.4
大船渡へ向けて、緊急DMAT出動
青森県八戸市・八戸市民病院救命救急センターからの被災地報告 その2

2011/03/16
八戸市民病院救命救急センター・今明秀

少ししてから、青森県庁から電話が来た。
「DMAT待機要請が出ています。対応できますか」県庁
「はい、すでに待機中です。ただし、車内待機です。正式要請が出るまで、通常走行で南下しています」私
「えっつ」県庁
「正式出動要請が出てから、赤色灯をつけて緊急走行を開始します。」私
「目的地は?」県庁
「とりあえず、南。例えば仙台です。情報を入れながら、参集場所を決めます」私

・・・・

千葉医師は、パソコンの前で、災害、DMAT情報を探す。
仙台で津波甚大被害。
16時4分、参集病院は仙台医療センターに決まった。
DMAT正式要請である。
オオフナドで、津波甚大被害。

17時48分、参集病院に岩手医大が追加された。
ドクターカーは高速道路をゆっくり進んでいた。
千葉医師は、岩手医大から岩手県庁に出向いている統括DMATの秋富医師に連絡を取り合った。
「仙台と盛岡どちらが医療需要が高いか」千葉医師
「盛岡に、向かっているDMATは今はゼロ、是非盛岡にきてほしい」秋富医師
千葉医師は、ドクターカーへ電話を入れた。
「参集病院変更、盛岡です」

・・・・

3月11日18時、盛岡市到着。
そこから八戸DMATは、津波被害の大きい大船戸へ向かう予定だった。
陸路は安全が保てない。しかも、山越え。道路は封鎖。
盛岡から空路にて自衛隊ヘリで向かうはずだった。
その距離直線で70Km。
夜間の飛行は自衛隊ヘリだった。
しかし予定飛行時刻に天候が悪化してきた。
雪と雲。
太平洋では津波被害が甚大。
しかし、盛岡から近づけない。
夜間の自衛隊ヘリ出動に備えることになった。
ヘリポートは岩手県消防学校。
その直近に病院、赤十字病院で待機となった。参集できたDMAT隊は八戸の1隊だけ。

八戸DMATは深夜の出動を待った。
八戸DMATが到着した5時間後、2組目のDMATが盛岡市に到着した。
しかし、まだ、天候は回復しない。
陸路の道路の安全は確保できていない。
日付が変わった後、ヘリコプター出動は朝5時30分の連絡がきた。
それまで、睡眠。

3月13日朝5時30分、八戸DMAT5名は、岩手県消防学校ヘリポートにいた。寒かった。しかし、ヘリコプターは来ない。
7時30分ようやく、自衛隊ヘリが降りてきた。
大船戸では、患者搬出準備が万全だった。
一晩待ったヘリコプターだった。
自衛隊機に、河野、原医師が乗り、まずは1回目のヘリ搬送。
盛岡で患者を下し、ヘリは給油して再び、盛岡に来るはずだった。
しかし、待てどもヘリは来ない。

大船戸では、ヘリ搬送をあきらめた。
まもなく、道路通行可が確認された。
緊急自動車は通れる。
救急車で、搬送することになった。
一時期、DMAT隊員が2つに分断され、もう会えないのかと大げさだが感じられた。
分断された2つのグループに役立ったのは、
大船戸の衛星電話と、八戸DMATの持つ災害時優先携帯電話だ。
この2つの電話で、NTT回線がずたずたでも連絡を取り合えた。

救急車に患者を乗せて、残りの部隊が盛岡に戻ってきた。
それから、患者のヘリ搬送はできなかった。
自衛隊ヘリが来なかった。
おそらく、別の地域に呼ばれたのだろう。

自衛隊機に頼らない医療主体のヘリコプター搬送が必要である。
それが、ドクターヘリの災害活用だ。
ほぼ同じ時刻にドクターヘリが岩手県と福島県、宮城県に集まりだした。
八戸DMATが奮闘しているころ、青森県ドクターヘリは、八戸の災害対応で手いっぱいだった。
ここも被災地。

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