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[08 Spring]
連載| D P C への移行はがん医療をどう変えるか第5回肝がんの血管塞栓術診療科による治療内容の違い

2008/06/18
日経メディカルCancer Review

外科vs内科

図3はグローバル・ヘルス・コンサルティング(GHC)がメディカルデータビジョン(MDV)社と共同開発したDPC
分析システム「EVE(イブ)」(次ページ脚注1参照)による同院の診療科別の医療資源投下状況(図左側)とパス集約画面(図右側)である。それぞれ上がA病院の内科、下が外科である。右側のパス集約画面は典型的なパスを可視化して表現したものだ。術日(塞栓術)を基点「0」として、その前後でどのような医療が、どのくらいの割合で行われたのかを表している。

マスのなかの四角が大きいほど該当する請求項目の実施率が高く、逆に小さければ実施率が低くて症例間でバ
ラツキがあることを示唆している。明らかに内科と外科では在院日数が異なること、内科では3日目に、外科で
は2日目に塞栓術が行われること、そして、内科では術日の翌日に、外科では、多くが術前に、そして術後1日
目と3日目に検査が行われていることなどがわかる。

図の左側のレーダーチャートは、包括化される医療資源の投下状況を他病院と比較したものである。自院の医療資源の投入状況を表す黒のラインで示される5角形が上の内科と下の外科では形が異なっている。特に、注射の資源投下状況が外科と内科では異なっているようだ。

パス集約画面とレーダーチャートで両診療科の概要を把握したところで、さらに詳しく見ていこう。まず、在院日数を他病院と比較してみると、全症例の平均が14.9日であるのに対し、A病院の外科は10.8日、内科は17.8日
で2つの診療科はおよそ対極に位置している(図4)。外科と内科では塞栓術施行までの術前日数だけではなく術後日数にも差がある。

脚注1: EVEでは分析結果を表示するためにヒストグラムやバブルチャートなどさまざまな表示機能を搭載しているが、その中でも頻繁に利用されているのが収益因子を表示するレーダーチャートであろう。レーダーチャートの5角形の頂点は、包括項目対象となる投薬・注射・処置・検査・画像をそれぞれ表している。3つの異なった色のラインが示されている(編集部脚注:この記事では1色で示されています)。増収になる症例での包括化される医療資源の投入状況を示したものが青線(同注:細い実線)、減収症例の投入状況を示すのが赤線(同注:点線)、そして自院の投入状況を表すのが黒線(同注:太線)である。5角形が大きくなればなるほど、医療資源の投入量が多いことを示し、減収傾向になる。5角形の各頂点のパーセンテージは各項目の包括対象部分の出来高換算(子数)を、包括点数(母数)で除した割合で、包括化される医療資源の中での量的なインパクトを示し、その大きさが扇形の面積で示されている。

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