日経メディカル Cancer Review

2008/6/16

トピックス7 [08 Spring]

循環腫瘍細胞が転移乳がんの予後マーカーに愛知がんセンターシンポで


創立30周年を記念して1994年に第1回の国際シンポジウムが開催された愛知県がんセンター。13回目に
あたる今年(2008年)のテーマは「乳がん疫学予防と個別化診断/治療の展望」。がん領域での個別化診断および治療の研究が進む中で、乳がんにおける研究も大きな進歩がみられるが、同シンポジウムでは、乳がんにおける疫学的エビデンス、個別化病理・分子診断、個別化放射線療法および薬物療法の現状と展望をテーマに、内外の著名な専門家が最新の研究報告を行った。

中でも注目されたのが、循環腫瘍細胞(CTCs)が転移乳がんと重要な生物学的関連を持ち、診断および予後因子となるとの研究報告(米ミシガン大学、Jeffrey Smerage氏)と早期乳がんの治療選択における分子診断の現状報告(米M.D.アンダーソンがんセンター、Lajos Pusztai氏)。CTCsの検出には複数の測定法があるが、最も再現性の高いのは磁気ビーズ(磁性粒子)を試材に添加して凝集塊を形成させ、磁気分離により精製する免疫磁力捕捉法(immunomagnetic capture)であり、転移乳がん患者の50-60%で検出が可能という。二重盲検試験において、CTCの基準値baseline(5CTC/全血7.5ml未満)を超えた症例では、基準値未満の症例に比べ無増悪生存期
間(PFS)、全生存期間(OS)中央値が著しく短いことが示された(基準値以上3カ月、10カ月vs. 基準値未満7カ月、22カ月)。

分子診断に関しては、分子解析技術を用いた乳がんの新しい個別化診断法の開発が急速に進んでいる。一例として、タモキシフェン治療を5年間受けたER(+)、リンパ節転移(-)患者に対する検査では、個別的な内分泌単独療法による再発リスクの高低の診断、およびより適切な化学療法のアシストが可能になるという。

(日経メディカルCancer Review)

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