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トピックス7  [07 Winter]
住友生命が「余命不明でも死亡保険金前払い」の特約

2007/12/28
日経メディカルCancer Review

 住友生命保険は10月29日、がんで治療が認められた場合、最高3000万円までの範囲で死亡保険金を前払いする特約を発売した。これまでの死亡保険金の前払い請求には、医師による「余命6カ月以内」とする医師の診断が必要で、余命告知がない場合や治療が長期化した場合には使えなかったが、新商品「がん・長期サポート特約」では、この「余命6カ月以内」という余命告知を不要としたもの。

 余命がはっきりしない状態で治療が長期化した契約者に対して保険金を前払いする商品は初めて。

 新しい特約では、「治癒が見込めない」を条件として、余命告知を不要とした。代わって医師が次の診断をすることが支払い条件となった。(1)一連の治療を受けたが、効果がなかった、(2)治療に伴う身体的負担に被保険者が耐えられないために、一連の治療を受けられず、かつ、以後受けられる見込みもない、(3)医学的に有効と認められる治療がない(がんの増殖速度が遅いなどの事情により、当面治療の必要性が小さい場合を除く)。

 また、支払いできない例として同社は、治癒した場合、治療が奏効して好転した場合のほか、「手術および薬物療法を受け、治癒・好転していないが、今後、治癒の見込みがある放射線療法を受ける予定があるとき」を挙げている。

 この特約の保険料は無料だが、保険金を請求する場合には、請求金額から所定の金額(請求に対応する3年分の利息および保険料相当額)を差し引いた金額が支給される。

 例えば、特約基準保険金額(請求額)が1000万円、予定利率1.65%、特約基準保険金額に対応する月払い保険料1万円の場合、3年分の利息47万9103円と3年分の保険料相当額35万1287円の合計83万390円を控除した、916万9610円を受け取
ることができる。

 がんの罹患数は年々増加しており、2001年の年間56.8万人から2020年には約85万人に上ると予測される。

 がんに罹患した場合に、治療費の支出とともに、離職などにより収入が減少するケースも多い。厚生労働省研究班「がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査報告書」(主任研究者:山口建氏、2004年)によると、がんを罹患した勤労者の8.7%が休職、30.5%が依願退職、解雇も4.2%に上った。

 自営業の患者も、廃業が13.2%、休業が7.7%という結果が出ており、がんの罹患が健康不安のみならず、生活不安に直結するリスクを負っている実態が明らかになっている。

 同社の商品開発室長の成山育宏氏は、「経済的負担が大きくなった患者にとって生前給付の意義は高まっている。新商品の設計に当たっては、医師や看護師らと相談を重ねた。従来のリビング・ニーズ特約は余命告知自体の難しさという面からも利用しにくい側面があった。“がん長期サポート特約”により、末期状態になる前に保険金を受け取ることができるため、被保険者の方々にはこれまで以上に保険金を有効に活用していただけるはず」と話している。

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