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トピックス3 [07 Winter]
肝細胞がんにも分子標的薬
ソラフェニブが適応追加申請

2007/12/23
日経メディカルCancer Review

 バイエル薬品は9月末抗がん剤ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)を、肝細胞がんを適応に承認申請を行ったと発表した。ソラフェニブは現在、腎細胞がんを適応とした承認申請の審査中で、近く承認される見込みであり、今回の申請は適応の追加申請となる。

 今年6月、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、肝細胞がんを対象に欧米で実施された第III相臨床試験(SHARP試験)の結果、プラセボ群に対してソラフェニブ服用群では全生存期間(OS)が44%延長されたことが報告され、注目された。欧米では、ASCO直後の6月に申請が行われ、現在審査中。米国では食品医薬品局(FDA)による優先審査品目に指定されている。また、中国、韓国、台湾の同患者を対象にした臨床試験でもOSと無増悪生存期間(PFS)の延長が確認され、中国などでも肝細胞がんへの適応拡大を申請中。

 肝細胞がんは、成人の原発性肝悪性腫瘍の約90%を占めている最も一般的な肝がん。肝がんの新規患者は、世界で毎年60万人以上(米国約1万9000人、EU諸国で約3万2000人)。2002年の統計では世界の死亡者も60万人に上り、内訳は中国、韓国、日本で約36万人、米国が約1万3000人。

 肝細胞がんの増殖には、細胞内情報伝達経路の1つRaf/MEK/ERK経路が関与しているとみられるが、ソラフェニブはRafキナーゼ(リン酸化酵素)の阻害を介して、肝細胞がんの増殖を抑制している可能性が非臨床試験で示唆されているという。ソラフェニブは進行性腎細胞がんを適応に欧米の50カ国で使用され、悪性黒色腫、乳がん、非小細胞肺がんで試験中。日本でも胃がんを対象とした臨床試験が計画されている。

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