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【企業提供】 対談 [07 Winter]
地域連携パスの重要性と作成上の留意点

 「第3次対がん10か年総合戦略」で、全国どこでも質の高いがん医療を受けることができるように、がん医療の「均てん化」が戦略目標として掲げられ、医療現場では「がん診療連携拠点病院と地域医療機関との間で、地域連携クリニカルパスの整備が望ましい」とされている。しかし、どのようにクリニカルパスを設計すべきか、実際にクリニカルパス構築交渉を関係者との間でどのように進めていくべきかなど、苦慮している医療機関が多いのが現状だ。そこで、地域連携に積極的に取り組んでいるNTT東日本関東病院(東京・品川区)副院長の小西敏郎氏と北美原クリニック(函館市)理事長の岡田晋吾氏に、患者に役立ち、なおかつ医療関係者にとって負担増にならない地域クリニカルパスの構築と、その運用に必要なポイントやアドバイスなどについて語り合っていただいた。

NTT東日本関東病院副院長の小西敏郎氏

北美原クリニック理事長の岡田晋吾氏

地域連携パスとの出合い

小西 地域連携パス(以下、パスと略)は当院が新しく病院を建て替えるときに、ベッド数をそれまでの3分の2ぐらいに減らすことになり、在院期間を短くしなければいけないという必然性に迫られ、導入しました。最初に用いたパスは、胃がんのパスです。胃がんは難しいかと思っていたのですが、実際にはパスから外れる患者さんばかりでした。しかし、パスから外れた患者さんからも「パスがあってわかりやすかった。自分が、どのような治療を受ければよいのかよくわかった」という言葉が聞かれました。パスを導入した外科病棟では、医師や看護師、薬剤師、栄養士などの間のコミュニケーションが今までいたどの病院よりもはるかに良かった点にも驚きました。パスを作成するときに、みんなで話し合ったことがきっかけになり、相互コミュニケーションの良い職場ができているとわかったのです。これからの時代は、パスを導入することによって、より安全でミスが少なく、しかも患者さんの理解も得られ、そしてチームで進められる医療ができると思い、パスを積極的に推進してきました。最適な医療を患者さんに提供し、パスで管理していくことで、良い医療ができると確信しています。

岡田 パスは、小西先生の札幌での講演を聴き、初めて知りました。丁度そのとき、当時勤務していた五稜郭病院(函館市)で、院長から「パスを導入したい」という話があり、小西先生を紹介しました。そして私は同院でパスを経験し、今から3年前に開業しました。今でも同院の客員診療部長という立場でチーム医療にも少し携わっています。私は外科医として胃がん、大腸がん、乳がんを診ていたことから、診療所でも、がんを見つけ、同院で手術をしていただき、その後、私が患者さんをフォローしています。ただ、診療所側のニーズにはどういうものがあるか、病院側はわからないこともあるため、病院と話し合いながら地域連携パスの作成に携わっています。

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日経メディカル Cancer Review

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