日経メディカルのロゴ画像

特集 Japan-Korea DIF Meeting 2007 [07 Autumn]
TS-1のベストパートナーは誰か
議論白熱・胃がんの化学療法

2007/10/09
日経メディカルCancer Review

TS-1 based レジメンが世界標準か
鍵を握るFLAGS試験の結果


 このように、日本からはAGCに対する現時点の最良レジメンとして、TS-1単独およびTS-1 +CDDPの併用療法の、韓国からはdocetaxel、paclitaxel、CDDP、oxaliplatinとTS-1の併用療法の結果と中間報告がなされた。テキサス大学M.D. Anderson Cancer Center腫瘍内科教授のJaffer A. Ajani氏は、その点は現在進行中のTS-1 + CDDP併用療法と5-FU + CDDPの併用(FP)療法を比較する国際共同第3相試験「FLAGS」の結果で判断すべきとした。これについては、SPIRITS試験のプレゼンターを務めた小泉氏も、自身の当日の講演の中で指摘していた。

テガフール代謝酵素に人種差
ここでもFLAGS試験の結果に注目


 Ajani氏は、FLAGS試験の結果を待つべきであるとした理由を、同試験についての概説を通じて語った。それによれば、最大の理由はTS-1に対する欧米人とアジア人の代謝能力の違いにある。代謝酵素CYP2A6の遺伝子の違いから、欧米人はアジア人に比べ、より速やかにTS-1を5-FUに変換するため、最大許容用量がアジア人よりも低めとなる。

 したがって、AGCに対するレジメンは、TS-1単独の場合は1日30mg/m2分2、CDDPとの併用療法の場合は1日25mg/m2分2と設定されている。TS-1 + CDDP併用療法の第1/2相試験は、TS-1は25mg/m2分2をday 1から21まで連日投与、CDDPは75mg/m2をday 1に2時間の静注投与する治療を28日間で繰り返す方法で行われた。AGCに対する第2相試験で、有効性(表2)と有害事象(表3)が確認されたことから、第3相試験として国際的なreference armであるFP療法との比較試験「FLAGS」(図8)が進行中である。

 Ajani氏は、世界地図をもってFLAGS試験とSPIRITS試験の実施された状況を示し(図9)、将来、TS-1 + CDDP併用療法がAGCに対する世界標準治療になる可能性が高いとしながらも、予後予測因子を組み入れた厳格な手順で行われる第3相試験が必要であることを強調し、これは分子標的治療についても同様とした。特別発言の韓国のKang氏は、同国の現在のAGCに対する標準治療はFP療法であるが、SPIRITS試験の結果から、投与cycleや標的患者の層別化による検討が必要としながらも、TS-1 + CDDP併用療法がFP療法に代わって標準治療となる可能性が高いとした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日経メディカル Cancer Review

この記事を読んでいる人におすすめ