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特集 Japan-Korea DIF Meeting 2007 [07 Autumn]
TS-1のベストパートナーは誰か
議論白熱・胃がんの化学療法

2007/10/09
日経メディカルCancer Review

韓国はタキサン系、new platinum系
との併用レジメンを検討中


 韓国では、AGCに対するTS-1とdocetaxelとの併用療法をTS-1単独療法と比較する試験(図5)が進行中である。これに先立って行われたTS-1 80mg/m2/dayとの併用療法におけるdocetaxelの至適用量設定のための第1相試験では、同剤の推奨用量は50mg/m2の3週おき投与とされた。

 プレゼンターの韓国大学医学部教授でAnam病院がんセンター長のYeul Hong Kim氏は、ここで観察された有害事象はgrade 3/4の好中球減少症が主であり、耐用且つコントロール可能なものであったとした。この第1相試験における無増悪期間は8.3カ月、生存期間中央値は9.9カ月と良好な成績を示していたことから、第3相試験によりTS-1 + docetaxel併用療法のTS-1単独療法に対する優越性が検証される可能性も高いと考えられるとした。

 もう一つのtaxane系抗癌剤であるpaclitaxelの併用も検討された。薬剤の投与スケジュールは、図6に示すとおりである。なお、貧血や血小板減少症といった血液学的な有害事象が生じた場合は、重症度に応じて投与サイクル別に両剤あるいは一方の用量を減じるか中断もしくは中止し、非血液学的有害事象の発現については、その種類と重症度に応じ全cycleで同様の用量調節が行われた。結果についてプレゼンターのKyunghee大学病院内科学腫瘍内科・血液学分野教授のSi-Young Kim氏は、奏効率は39.6%、無進行生存期間中央値は29週で、全生存期間中央値には至っておらず、毒性については、grade 3/4の好中球減少症が33%にみられたが、発熱性好中球減少症は5%、grade3/4の消化器症状は5%未満であったと報告した。なお、有害事象の発現に応じた薬剤投与量調節の結果、TS-1については計画量の92.7%、paclitaxelについては同じく93.4%の達成率となった。

 韓国からの3人目のプレゼンターとなったUlsan医科大学内科学腫瘍科主任教授でAsan医療センター治験センター長のYoon-Koo Kang氏は、AGCを対象としたTS-1 + platinum系製剤併用療法の第1/2相試験について報告した。検討されたplatinum系製剤はCDDPとoxaliplatinである。

 まず、CDDPとの併用療法については、CDDP 60mg/m2のday 1投与3週cycleに対し、day 1からday 14までのTS-1の投与量を30mg/m2分2から50mg/m2分2投与まで変動させる方法で、最終的にTS-1 の最大許容用量50mg/m2分2、推奨用量40mg/m2分2を得た。TS-1の用量を45mg/m2分2に設定した20例と、同じく40mg/m2分2に設定した23例を合わせた無増悪生存期間と全生存期間を図7に示す。

 Kang氏は、この43例において主な有害事象としてgrade 3/4の貧血が31.0%、顆粒球減少症が33.4%、食欲不振が23.8%にみられたものの、毒性に関して好ましいプロファイルを示したとした。同様に、oxaliplatinとの併用療法については、至適用量設定試験の結果から第2相試験ではTS-1の用量を50mg/m2分2、oxaliplatinをday 1に130mg/m2投与する3週cycleで行うこととしたと説明した。なお、症例の登録は終了したものの今なお一部の患者で治療継続中である。Kang氏は、試験の途中経過からTS-1 + oxaliplatin併用療法はAGCに対して高い有効性と好ましい毒性プロファイルを期待できそうだとした。

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