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[リポート]ASCO 2007 [07 Summer]
Cetuximabの併用により頭頸部がんでの全生存期間が有意に延長
頭頸部がん・甲状腺がん

2007/07/25
日経メディカルCancer Review

 再発もしくは転移頭頸部がんに対するシスプラチンやカルボプラチンなどを用いた従来の1st-line療法に、分子標的治療薬Cetuximab(EGF受容体阻害薬)を併用することにより、生存期間の延長が図れることが、欧州での多施設第III相試験で明らかになった。多数の頭頸部がん患者を対象に、1st-line療法としてのCetuximabの効果が認められた初めての成績である。

 EXTREME トライアル(Erbitux in First-line Treatment of Recurrent or Metastatic Head & Neck cancer)の一部として施行された今回の研究で、ベルギー、アントワープ大学腫瘍学教授のJan Baptist Vermorken氏らは、頭頸部扁平上皮がん患者442例(喉頭がん47%、咽頭がん25%)において、Cetuximab週1回+シスプラチンもしくはカルボプラチン+5-FU3週毎×6サイクル投与群222例と、対照としてCetuximabを除いた併用投与群220例の両群間で全生存率を比較した。

 その結果、全生存期間(OS、中央値)は、対照群7.4カ月に対して、Cetuximab併用群10.1カ月と、併用群で有意(p=0.036)に長かった。主な有害作用(副作用)として、Cetuximab併用群ではアクン様発赤が認められたが、時間の経過とともに緩和した。

 Vermorken氏は「頭頸部がんに対するこれまでのフェーズIII試験において、最も長期間の生存ベネフィットが得られた。Cetuximabなどの新しい分子標的治療薬が、頭頸部がんの治療法に変化をもたらすものとなる」としている。

進行甲状腺がんにVEGF受容体阻害薬Axitinibが効果

 甲状腺がんの標準療法は手術および/あるいは放射性ヨウ素治療であり、患者の大部分はこれら治療法で治癒するが、治療に反応しない患者に対する治療法はほとんどないのが現状である。甲状腺がんでは、正常な甲状腺に比べ、血中のVEGF-AおよびB値の上昇が報告されている。

 進行甲状腺がん患者に対する分子標的治療薬Axitinib(VEGF受容体阻害薬)を用いた初めてのフェーズIII試験の結果が報告され、同薬の抗腫瘍効果が示された。多施設での単群で施行された今回の試験では、進行甲状腺がん患者60例を対象に、経口Axitinib 5mgを1日2回投与。患者の13例(22%)で部分奏効(PR:31~68%の腫瘍縮小効果)が認められ、効果は1~16カ月間にわたって持続。また30例(50%)で安定(SD)が認められ、1~16カ月持続した(表1)。血液検査では、VEGF受容体2および3値がそれぞれ32%、35%低下しており、治療薬の標的結合が示唆された。

 有害作用の主なものとしては43%に疲労の発現が認められた。重篤な有害作用の発現率は低く、高血圧7%、たんぱく尿5%などこのクラスの薬剤で見られるごく一般的なものであった。

 報告者の米Chicago大学(イリノイ州)内科准教授のEzra Cohen氏は「AxitinibなどのVEGF受容体阻害薬は、進行甲状腺がん治療において新しい先端の治療薬として位置づけられる。現在、進行甲状腺がんに対する治療法はほとんどなく、今回、これまでの化学療法では見たこともない高い反応率を得られた」と述べている。

 Axitinibに関しては、今後、ドキソルビシン抵抗性の患者を対象としたフェーズIII試験、さらにサブタイプの甲状腺がん患者でのフェーズIIIプラセボ対照試験が予定されている。

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