日経メディカル Cancer Review

2007/7/13

[リポート]ASCO 2007 [07 Summer]

Sorafenibが進行肝がんの生存期間を44%延長

肝細胞がん


米Mount Sinai School ofMedicineの肝細胞がん研究部長のJoseph Llovet氏

 進行肝細胞がんの治療法に経口薬が加わることになりそうだ。米Mount Sinai School of Medicineの肝細胞がん研究部長のJosephLlovet氏が率いたフェーズIII試験(SHARP:Sorafenib HCC Assesment RandomizedProtocol)の結果、分子標的治療薬のSorafenibが全生存期間(OS)とがんの成長に対する遅延効果が確認された。転移進行性肝細胞がんで、経口薬によるOS改善効果が確認されたのは今回が初めて。

 試験では、602人の患者が参加したこの試験では、299人がSorafenib400mgを服用、303人にはプラセボが投与された。試験期間は6カ月間。その結果、プラセボ群のOSが8カ月であったのに対して、Sorafenib使用群では11カ月近くに延長された。また3カ月後のプラセボ群の腫瘍径に達するまでにSorafenib群は5カ月半を要し、腫瘍増殖の遅延効果が確認された。この結果が顕著であったことから、臨床試験は途中で中止された。

 有害事象は、下痢がSorafenib群で11%となったが、プラセボ群では2%。Sorafenibの特徴的な有害事象といえる手足皮膚反応は、プラセボ群1%に対してSorafenib群では8%であった。

 Sorafenibは、Bayer HealthCarePharmaceuticals社とOnyxPharmaceuticals社が開発した経口型の血管新生、腫瘍細胞増殖阻害剤で、細胞内シグナル伝達分子のRafキナーゼ、VEGFR(血管内皮増殖因子受容体)-1やVGEFR-2などのチロシンキナーゼを標的にしている。肝細胞がんの増殖にはRaf-1キナーゼが主要な役割を果たしていることが明らかになっている。

(日経メディカルCancer Review)

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