日経メディカルのロゴ画像

インタビュー [06 Autumn]
身近な悩みを解決する“小さな臨床研究”を推進
北里大学医学部麻酔科 チーム緩和 的場元弘氏

2007/02/07
日経メディカル Cancer Review

緩和医療で使用する抗精神病薬、
制吐剤の錐体外路反応に注目


― 日本緩和医療学会総会では、司会をしたシンポジウム(「緩和医療に用いる薬の副作用」)の席上、抗精神病薬や制吐剤についての問題提起をしていましたね。

的場 あの発言は、シンポジウムの演者で、以前から交流していた広島大学病院総合診療科の佐伯俊成先生と事前に議論した結果です。議論して、抗精神病薬や制吐剤による副作用がありそうだということになったのです。

 これらの薬剤を使用することによって、錐体外路症状が起こり、自発性が低下し、嚥下困難が起こっている可能性が出てきたのです。制吐剤も使い方によっては、自発性、言い換えると自分らしさを奪う可能性が出てきました。自発性の低下による無動などは、進行がん患者の衰弱した状態と区別することが困難です。とても見慣れた光景だったので、臨床の現場では見過ごされてきた側面があります。

 おそらく、聴衆の方々はびっくりしたのではないでしょうか。当日、佐伯先生が発表すると、会場からの質問が集中しましたね。期待した通りの反応で、シンポジウムの後で、思わずガッツポーズしましたよ(笑)。

― 問題が明るみに出たわけですね。

的場 抗精神病薬や制吐剤のこれまでの使い方が正しいのかどうかを問い直す時期に来ていると思いますね。そして、来年、この問題を論じる研究報告が出てくれば、うれしいですね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日経メディカル Cancer Review

この記事を読んでいる人におすすめ