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薬剤師・医師グループが調査 [06 Autumn]
オピオイド製剤の採用に病院間で違い

2007/02/07
日経メディカル Cancer Review

 薬剤師、医師、看護師の有志で組織する緩和ケアの研究組織SCORE-Gが、地域がん拠点病院、大学病院を対象にがん疼痛治療に使用されるオピオイド製剤の採用状況を調査、その結果を6月に神戸で開かれた日本緩和医療学会総会で報告した。

 報告によれば、オピオイド製剤の採用品目数には比較的がん医療に力を入れていると考えられるがん拠点病院や大学病院でも病院間で差があり、また緩和ケア病棟、緩和ケアチームを有する施設ほど、オピオイド製剤の採用品目数が多くなる傾向のあることが分かった。同グループは、緩和病棟・チームを有する施設では製剤の使い分けのための情報収集のレベルやその実践が反映された結果と分析している。

 調査はがん拠点病院40施設、大学病院31施設を対象にがん疼痛に使用されるオピオイド製剤の全69品目(内服薬38品目、注射薬22品目、外用薬9品目)の採用の有無を問うについて郵送アンケート調査で行われた。回収率は地域がん診療拠点病院で78%、大学病院で90%だった(合計83%)。

 採用数が最も多かった施設の採用数は35品目、対照的に最も少ない施設では20品目にとどまった。全施設に採用されていたのはオキシコンチン5mg、塩酸モルヒネ注10mg、デュロテップパッチ2.5mg、アンペック坐薬10mgであった。対照的に、モルペス細粒、リン酸ジヒドロコデイン散、パビナール注、セダペイン注、トラマール注などの採用率は低かった。

 調査に当たった東北労災病院(仙台市)薬剤部の高橋浩子氏によると、「採用数と病院の種類(拠点病院か大学病院か)、病床数、地域による違いは見られなかったが、緩和ケア病棟、緩和ケアチームを有する施設のオピオイド製剤の採用数は、それらを有しない施設に較べ、有意に高かった」という。

 こうした差が出た理由を同グループは、モルペスなどの徐放性モルヒネ細粒剤やパビナール注、トラマール注、セダペイン注、高濃度の塩酸モルヒネ剤、プレペノンシリンジなどで緩和病棟やチームの有無による採用率の違いが顕著だったためと分析する。

 モルペス細粒は嚥下困難な患者にも使用しやすい薬剤であり、プレペノンシリンジは注射筒にモルヒネが充填された薬剤であり、「事故防止に有用な薬剤」だという。そのほかも作用や副作用に特徴を持つ薬剤だという。

 緩和病棟・チームを持つ施設が高濃度モルヒネの採用率が高かったが、この理由は多量のオピオイド製剤を必要とする患者が多いためと考えられるとしている。

 SCORE-G(がん疼痛・症状緩和に関する多施設共同臨床研究会)の中心メンバーである北里大学麻酔科の的場元弘氏は、ほかの病院の採用状況を知ることは、医師それぞれががん疼痛・症状緩和医療を見直す契機になるはずと話している。

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