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ミニ・インタビュー
日本癌治療学会総会の意義は多職種連携最新の標準治療を討議したい
日本癌治療学会総会会長・大阪市立大学腫瘍外科教授平川弘聖氏

2008/08/18
日経メディカルCancer Review

がん診療ガイドラインの公開体制を議論

――トピックスについてうかがいたいのですが。

平川 シンポジウムが14個、パネルディスカッションが19個、ワークショップが20個企画しています。多くのテーマが企画されているのですが、ポイントを挙げるとなると1つは、人材の養成ということになるでしょう。がんプロフェッシナル養成プランのあり方、臨床腫瘍医育成のあり方を議論します。がん診療連携拠点病院と地域ネットワークもパネルディスカッションの企画の1つですが、必要なスタッフの確保も視点の1つです。トランスレーショナル研究にも関ってくるのですが、分子標的治療薬は基礎と臨床と2つ、シンポジウムがあります。
 現在、各臓器別の学会で個々に診療ガイドラインが作成されています。これらの学会の協力を得て本学会でもこうしたがん診療ガイドラインの公開体制についても議論してもらいます。

漢方薬や治療効果判定PETの有用性も討議

平川 初めての試みですが、漢方薬や補完医療についてもスポットをあてています。これらはがんを治療する中心にはならないのですが、症状の緩和や薬の副作用を軽減することが期待されています。いわば支持療法として使われているのです。インターフェロンの副作用や抗がん剤の末梢神経障害の治療に期待されていますが、本当のところはどうなのか、はたしてエビデンスが存在するのか議論します。
PETがどれだけがん治療に貢献しているのかというテーマも興味深いのではないでしょうか。これは検診ではなく、治療効果の判定と転移・再発診断にどれだけ役に立つかという観点から報告してもらいます。このテーマでは、予想以上の応募がありました。PETの普及ぶりがわかりました。と同時に、その有用性を検証する時期に来ているともいえるので、関心は高いのではないでしょうか。

利益相反の申告を義務化

――検討していました利益相反の基本方針がまとまったようですね

平川 発表する先生方には企業との間の利益相反について事前報告を義務化させて頂きました。これは国内の学会では初めての試みになります。利益相反については社会や医療関係者からの誤解もあるようです。以前は産学協同と呼ばれ、企業の圧力がかかって研究の中立性が損なわれると危惧されました。しかし、現在は周知の通り、企業となんらかの連携をもたないと、とくに臨床応用への研究が進展しない状況です。このような背景から、発表の前に利益相反の有無を申告してもらうことによって公平性を保ち、一方では発表者を守るための方策と考えて、積極的に申告してほしいと思います。

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