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インタビュー[08 Spring]
外来化学療法成功のポイントはチーム医療オーダーシステム
国立がんセンター中央病院・通院治療センター医長 田村研治氏

2008/03/28
日経メディカルCancer Review

◎ Profile 田村研治(たむら・けんじ)氏 41歳。国立がんセンター中央病院・通院治療センター医長。外来化学療法グループ長。乳腺・腫瘍内科グループ。医学博士。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医/肺がん、乳がんを中心に多臓器の化学療法に携わる。

外来化学療法を成功させるにはどのような点に注意を払うといいだろうか。処方のあり方は?チーム医療実践の注意は?地域との連携の方法は?この分野の先駆けであり、総本山でもある国立がんセンター中央病院でその可能性を追究する田村研治氏(写真)に聞いた。(写真◎清水真帆呂)







―― 現在、全国で外来化学療法加算を申請している病院の数は約1400にものぼるそうです。


田村 外来化学療法加算という追い風もありますが、化学療法を受けていても罹病前と同様の生活を送る、仕事を続けたいという患者さんたちの要望が強くなってきたことが、こうした施設を増やしている第一の理由でしょう。


 また、乳がん、肺がん、消化器がんなどを中心に、術前術後の化学療法に多くのエビデンスが出てきました。さらにG-CSFや5HT3ブロッカーのような支持療法が非常に進歩してきたこと、シスプラチンに代わって輸液が少なくて済むカルボプラチンの登場など、新薬の登場も外来化学療法を実現させた要因です。

 これらの薬剤が登場してこなければ、外来化学療法は理念にとどまり、実現は不可能だったと思います。


 ただ、外来化学療法を整備しようという動きが非常に急速ですので、スタッフに対するしっかりした教育や設備を整備しないと、中途半端な医療になってしまう心配もあります。真の意味で患者さんが入院治療と比較して、外来で化学療法をする恩恵が得られなければなりません。

―― 国立がんセンター中央病院はがん医療のモデルを構築する役割が課せられた医療機関です。そこにある通院治療センターの意義を先生はどのように捉えていますか。


田村 国立がんセンター中央病院は20年以上も前から外来化学療法を行っています。採血室に隣接した処置用ベッドを用いてスタートしたのは、1979年のことです。92年に16床に増床しましたが、その頃は抗悪性腫瘍薬の数として年間5000件程度でした。2006年の集計では2万1373件です。


 全国の外来化学療法の質を上げていくために、私たちは、さまざまな教育のツールを使って、そのノウハウを教える機会を作っていこうと考えています。

 具体的には、当院のがん対策情報部と連携して、主にがん臨床連携拠点病院を対象にがん化学療法に関する短期のセミナーを開催するとか、あるいは医師と看護師、薬剤師をセットにした講習会などを行っています。

 レジデント制度でも、短期レジデント制度というものを活用し、外来化学療法グループのレジデントを募集しています。現在外来化学療法を中心に6カ月間研修している医師もいます。

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