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029.日経メディカル 聴く論文(2021.07.12-07.16)
スコットランドで流行したデルタ株の特徴 他

2021/07/16

 2021年7月16日に公開したポッドキャスト配信「日経メディカル 聴く論文」のアーカイブです。ご興味のある方は是非ご登録ください。
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(1)Lancet誌から スコットランドで流行したデルタ株の特徴
 スコットランドでは、2021年5月の1カ月間で、SARS-CoV-2流行株がアルファ株からデルタ株に置き換わった。Edinburgh大学のAziz Sheikh氏らは、同国の感染者のデータを分析し、デルタ株感染者の入院リスクはアルファ株の場合の約2倍で、デルタ株に対するワクチンの有効性は、アルファ株に比べるとやや低いなどの特徴を、2021年6月14日のLancet誌電子版に報告した。

(2)EClinicalMedicine誌から テルミサルタンがCOVID-19入院患者の炎症を抑制する可能性
 アルゼンチンBuenos Aires大学のMariano Duarte氏らは、発症から4日以内COVID-19入院患者にARBのテルミサルタンを投与するオープンラベルのランダム化比較試験(RCT)を行い、標準治療のみの場合に比べ、CRP値が低下し、入院期間が短縮し、30日死亡リスクも低下したと報告した。結果は2021年6月18日のEClinicalMedicine誌電子版に掲載された。

(3)Ann Intern Med誌から 全身性毛細血管漏出症候群はSARS-CoV-2ワクチンの有害事象か?
 全身性毛細血管漏出症候群(SCLS)はまれな疾患であり、未診断の患者が存在すると予想されている。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のMeghan Matheny氏らは、SARS-CoV-2ワクチン接種から数日以内にSCLSを発症した3人の患者の経過を、2021年6月15日のAnn Intern Med誌電子版に報告した。接種前に、予防的な免疫グロブリン静注(IVIG)を行うと、SCLSの再燃を回避できる可能性にも触れている。

(4)BMJ誌から 有害事象のバックグラウンド発生率は各国で大きく異なる
 SARS-CoV-2ワクチン接種後の有害事象を正確に評価するためには、ワクチン非接種者の同じ有害事象の発生率(バックグラウンド発生率)を明らかにする必要がある。英国Oxford大学のXintong Li氏らは、8カ国13種類のデータベースを用いて、SARS-CoV-2ワクチンに関連する「特に注目すべき有害事象(AESIs)」のバックグラウンド発生率を検討したところ、データベース間で大きな違いが見られた。このため、ワクチンの安全性評価では、同じ母集団に所属する接種者と非接種者の情報を比較する必要があることが示唆された。分析結果は2021年6月14日のBMJ誌電子版に掲載された。

(5)NEJM誌から トファシチニブはCOVID-19肺炎患者の呼吸不全リスクを減らす
 ブラジルHospital Israelita Albert EinsteinのPatricia O. Guimaraes氏らは、COVID-19肺炎で入院した患者を対象に、ヤヌスキナーゼ阻害薬のトファシチニブまたはプラセボを投与するランダム化比較試験を行い、トファシチニブ群は28日以内の死亡や呼吸不全のリスクが低かったと報告した。結果は2021年6月16日のNEJM誌電子版に掲載された。

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連載の紹介

日経メディカル 聴く論文
好評コラム「海外論文ピックアップ」で紹介した最新医学論文の概要をコンパクトに音声で読み上げます。毎週金曜日に配信します。

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