2021年5月28日に公開したポッドキャスト配信「日経メディカル 聞く論文」のアーカイブです。 ご興味のある方は是非下記よりご登録ください。
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(1)Lancet Oncology誌から SARS-CoV-2ワクチンは癌患者には早期に2回接種すべき
英国Francis Crick InstituteのLeticia Monin氏らは、臨床試験に参加できなかった癌患者に対して、Pfizer-BioNTech社のワクチンBNT162b2を接種して有効性と安全性を検討する前向き観察研究を行い、初回接種後には十分な抗体は得られず、21日後の2回目の接種が欠かせないという中間解析結果を報告した。結果は2021年4月27日のLancet Oncology誌電子版に掲載された
(2)JAMA Network Open誌から 禁煙後に10kg太っても死亡リスクは低下する
オーストラリアWestern Sydney大学のBerheW. Sahle氏らは、禁煙後に体重が増加する人が多いことから、体重増加が禁煙のメリットを相殺するかどうかを調べるために成人を対象とするコホート研究を行い、たとえ禁煙後の体重増加が10kgを超えても喫煙者に比べると有意な死亡リスクの減少が見られたと報告した。結果は2021年4月27日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。
(3)JAMA Network Open誌から 胎児期から1歳までの抗菌薬使用はアトピー性皮膚炎を増やす
スウェーデンKarolinska InstitutetのMwenya Mubanga氏らは、同国で生まれた小児を対象に、胎児期と生後1歳までの抗菌薬暴露とその後のアトピー性皮膚炎発症との関連を調べるコホート研究を行い、どの時期の抗菌薬暴露もアトピー性皮膚炎のリスク増加と関連が見られたと報告した。結果は2021年4月29日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。
(4)Lancet誌から 脳梗塞後の腕の機能障害に迷走神経刺激の併用が有効
英国Glasgow大学のJesse Dawson氏らは、脳梗塞後に中等症から重症の腕の脱力が持続している患者を対象に、リハビリと迷走神経刺激を併用する場合と、リハビリのみを適用した場合の改善度を調べるランダム化比較試験を行い、迷走神経刺激を併用すると腕の運動機能が大きく改善すると報告した。結果はLancet誌2021年4月24日号に掲載された。
(5)Lancet誌から スコットランドでワクチン初回接種後にCOVID-19による入院が大幅に減少
Edinburgh大学のEleftheria Vasileiou氏らは、スコットランドの成人の約30%がPfizer社またはAstraZeneca社のSARS-CoV-2ワクチンの初回接種を受けた段階で、前向きコホート研究の中間解析を行い、ワクチンによりCOVID-19入院患者数が著しく減少していたと報告した。結果は2021年4月23日のLancet誌電子版に掲載された。