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日本初、禁煙治療用アプリの保険適用を承認
中医協、治療補助で用いるアプリの診療報酬上の考え方など課題も

 厚生労働省は2020年11月11日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、禁煙治療用アプリケーションの保険適用を承認した。アプリを保険適用するのは初めてだ。同日承認されたのは、禁煙補助薬のバレニクリンを使用して治療を行うニコチン依存症患者を対象とした「CureApp SCニコチン依存症治療アプリ及びCO(一酸化炭素)チェッカー」。患者アプリ、COチェッカー、医師アプリで構成され、呼気CO濃度の測定結果、患者が入力した喫煙状況、患者用アプリからの質問への医師の応答等に基づき、ニコチン依存症の理解や禁煙に関する行動変容の定着を促す目的でメッセージや動画等を提供する。

 ニコチン依存症治療の補助にCureAppを用いた場合、通常のニコチン依存症管理料のほか、「在宅振戦等刺激装置治療指導管理料・導入期加算」140点、「疼痛等管理用送信器加算」600点4回分を初回に算定できる。既存の報酬項目の点数を準用する形とした。算定できる医療機関は、過去1年間のニコチン依存症管理料の平均継続回数が2回以上であることが求められる(過去1年間に実績を有しない場合はこの限りではない)。
 
 同日の総会ではアプリの保険適用について、通常の医薬品や医療機器の承認プロセスと同様、有効性や安全性が確認され、薬事承認されたものを保険適用する原則が改めて確認された。
 委員からは「アプリを用いた機器の保険適用は、かなり慎重な審議が必要だ。薬事と一体となり、どのような仕組みで保険適用をしていくのか議論が必要である」「医療のデジタル化は医療の効率化・適正化につながる必要がある。治療の補助としてアプリを用いる場合の診療報酬の考え方を整理する必要がある」といった慎重な意見が相次いだ。さらに「本アプリは呼気COを測定することに意義があるが、加熱式たばこではCOが出ない。加熱式たばこの場合は役に立たないのではないか」と委員より指摘された。本指摘事項について、厚労省は十分な周知を行っていくとした。

2020改定の結果検証調査、COVID-19に関する項目を新規追加

 同日、中医協の総会と診療報酬改定結果検証部会は、2020年度診療報酬改定の結果検証にかかる特別調査の調査票案も承認した。 承認されたのは、2020年度に調査が実施される(1)かかりつけ医機能等の外来医療にかかる評価等に関する実施状況調査(その1)、(2)精神医療等の実施状況調査(その1)、(3)在宅医療と訪問看護にかかる評価等に関する実施状況調査、(4)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進にかかる評価等に関する実施状況調査(その1)、(5)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査――の5つだ。

 本調査票案では、診療報酬の改定による影響と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を区別するため、COVID-19患者の受け入れ状況やそれに伴う施設基準等の臨時的な取り扱いの対象の有無など、COVID-19関連の設問が新設された。

 「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」の保険薬局調査において、支払い側委員より、「薬局の開設者・管理者として後発医薬品の調剤を積極的に進めることができる対応」の設問に対し、回答の選択肢に「処方箋の変更不可欄の削除」を追加するよう要望が挙がった。これに対し、「『医療機関が変更不可とした具体的な理由の明確化』という選択肢があるため、それで十分だ」という意見が多数を占め、現行の調査票案で承認された。

 本調査は今年12月中に実施され、2021年3月末までにそれぞれの報告書の取りまとめが行われる。

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