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トピック◎国立感染症研究所と医薬基盤・健康・栄養研究所が発表
アボカドから抗エンテロウイルスD68化合物発見

 国立感染症研究所と医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループが、アボカドの中に、高活性の抗エンテロウイルスD68(EV-D68)化合物が多く含まれることを発見。6月22日付で、ACS Infectious Diseases誌のウェブ版に論文が発表された。今後の研究によって、食物由来の物質でウイルス感染を制御するという「革新的医療」の開発につながるとしている。

 エンテロウイルスD68は、秋に流行が見られる小児の呼吸器疾患と急性弛緩性脊髄炎発症との関連で注目されているウイルス。これまで、エンテロウイルス感染に対する薬で実用化されているものはない。また、抗エンテロウイルス薬の開発においては、小児を対象とすることから薬の安全性が特に課題となっていた。

 国立感染症研究所ウイルス第二部第二室と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループは安全性の課題を重視し、食用植物抽出ライブラリーをもとに抗エンテロウイルス薬の候補を探索した。その結果、アボカド(Persea americana)の中に、活性の高い抗EV-D68化合物が多く含まれることを見いだした。

 このアボガド由来の新規化合物は「アボエニン(avoenin)」と命名された(図1)。アボエニンは、アボカド1個の果肉部分に1~2mg含まれている。EV-D68の産生・複製を50%低下させる濃度(EC50)は2.0μM(0.68mg/L)で、一方、50%細胞毒性濃度は150μM超だった。作用機序としては、EV-D68の脱外被(uncoating)を阻害することでウイルス増殖を防ぐという。

 今回の結果について研究グループは、安全な抗ウイルス薬開発の新しい方向性を示唆するものだとし、「今後の研究により、食物由来の物質でウイルス感染を制御するという革新的医療の開発につながることが期待される」と記している。

図1 アボエニンの構造(参考文献1)より)

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