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2004.04.22

外から検査状況が分かる“シースルー型MRI室” 鹿島が開発、岩手県の施設に導入

 建設大手の鹿島建設はこのほど、外部から中が見えるように壁面全体に特殊なガラス窓を用いた“シースルー型MRI室”を開発、この4月に岩手県予防医学協会が新設した「人間ドックセンター」に導入したと発表した。

 窓枠に当たる棒状の素材(太さは20mm×85mm)を300mm間隔で配置し、MRI機器が発する磁力線の漏えいを防止、特殊ガラスには外部からの電波を遮へいする金属メッシュが挟み込まれている。これにより、従来のMRI室と同様に他の医療機器の誤作動などを防ぐことができる。施工期間は、新築、改築のいずれの場合も3カ月で従来とほぼ同じ。

 従来のMRI室では患者の状態を小さな窓からのぞくことしかできなかったが、このシースルー型MRI室では、様々な方向から患者の状態を観察することができる点が大きなメリットという。一方で、見られたくないという患者などの希望に対応するため、一部を半透明のガラスにすることも可能だ。

 また、MRI機器の買い換えの際、従来は検査室の壁を取り壊す必要があったが、ガラス面を取り外すだけで機材を搬入することができるので、コストの削減、廃棄物の減少につながるというメリットもある。

 MRIの機種、検査室の規模に応じて、必要な資材は変わり、導入コストも増減する。岩手県の人間ドックセンターのMRI室は、広さ35m2、高さは2.85mで、三つの壁面が特殊ガラスで覆われている。従来のMRI室よりもコストは5割増となったが、長期的に見れば安価で済むという。

 鹿島建設新事業開発部長の阪田弘道氏は、「従来のMRI室にあった心理的圧迫感を取り除くことができ、(操作しやすくなるなど)技師の職場環境の改善にもつながるので、導入希望が多いのでは」と期待する。
(和田紀子、日経メディカル