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2004.04.05

日本小児科学会、タミフルの1歳未満投与について近く調査を実施

 日本小児科学会は会員に対し、タミフルドライシロップ(一般名:リン酸オセルタミビル)の1歳未満児への投与について調査することを決めた。まず2003年末から2004年春にかけてのインフルエンザシーズンに投与された症例について後ろ向け調査を実施し、その結果をもとに次期インフルエンザシーズンに前向き調査を行う。後ろ向き調査については、中外製薬が4月中旬頃をめどに実施する。前向き調査は2004年冬季を予定している。

 リン酸オセルタミビルについては、米Roche Laboratories社が実施した動物実験で、1000mg/kgを7日齢の幼若ラットに投与したところ、脳内の薬剤濃度が成体に比べて約1500倍高くなるという結果が得られた。このため同社は今年1月2日、1歳未満の乳児にはタミフルを投与しないよう求めるドクターレターを発信した。日本でタミフルを販売している中外製薬も1歳未満児には使用しないよう、あらためて医療関係者に呼び掛けた。

 こうした動きに対し、日本小児科医会が2月初旬、厚生労働省に1歳未満児への投与についての見解を求める質問状を送ったところ、同省は、米Roche Laboratories社の実験だけでは投与を禁忌とする十分な根拠とはならないが、危険性と効用を十分考慮し、保護者などの同意を得た上で慎重に投与すべきだとするコメントを発表した。今般の小児科学会の調査は、これまでのいきさつに基づき、改めて実態を把握して安全性を検討することにしたものと見られる。

 中外製薬のプレスリリースはこちら(米Roche Laboratories社のドクターレター翻訳を含む)。日本小児科学会のアナウンスメントはこちらを参照。
(中沢真也)