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21世紀医療フォーラム「若手医師のキャリアパス」ワーキンググループ第1回会議を開催

2010/06/03
21世紀医療フォーラム取材班

「若手医師のキャリアパス」WG 座長
東京慈恵医科大学附属病院 院長
森山 寛 氏

2010年4月6日、今年から21世紀医療フォーラムが設置する8つのワーキンググループの1つである「若手医師のキャリアパス」の第1回会議が、IMSジャパン本社会議室(東京・虎ノ門)で開催された。座長をつとめる森山寛氏(東京慈恵医科大学附属病院院長)による基調プレゼンテーション「医師のキャリアパスが注目される背景」に続いて、活発な意見交換が行われ、新臨床研修制度がスタートしてから混乱、迷走している医師のキャリアパスの課題が浮き彫りになった。
会議後段では、伊藤雅治氏(全国社会保険協会連合会理事長)によるプレゼンテーショ「これからの日本の医療制度を考える」が行われ、もう1つのワーキンググループである「医療政策」ワーキンググループでの、今後の議論の枠組みが確認された。

地域単位、あるいは地域を超えた大学病院連携の試みも


会議冒頭、森山寛氏(東京慈恵医科大学附属病院院長)による基調プレゼンテーション「医師のキャリアパスが注目される背景」が行われた。医師のキャリアパスとは「仕事の経験やスキルを積みながら自らの能力を高くしていくための順序を系統立て、将来の目的や昇進プラン、キャリアプランを具体化、明確化するもの」と定義された。このキャリアパスが具体的に明確になれば、医師の目的意識が高まり、仕事に関するスキルも効率良く高めていくことができる。

従来は、主に大学の医局が医師のキャリアパス形成の支援をしていた。医学生は医学部卒業・国試合格後は出身大学で研修し、その後も大学か関連病院でキャリアを積むのが一般的だった。ところが新臨床研修制度で、研修医が自由に研修病院を選べるようになったため、自分の意思でキャリアパスを作ることが必要になってきた。にも関わらず、初期研修制度の欠陥の一つである指定研修病院の基準の甘さ(研修病院の症例不足、少ない指導医等)などが原因で、個人で独自にキャリアパスを構築することが困難になっている。また、専門分野が細分化し、患者ニーズも多様化しているために、到達目標が不明確になってきたという時代的な背景もある。女性医師の増加と労働環境の未整備という問題も大きい。

しかし大学でも、新しい取り組みが始まっている。従来の専門医に加えて、総合医(ホスピタリスト)、総合診療医(ジェネラリスト)の養成も視野に入れる一方、指導体制と研修プログラムを地域単位で見直す動きが出てきた。

「東海若手医師キャリア支援プログラム」(名古屋大学など東海地域7大学)、「関東・信州医師キャリア形成システム」(群馬大学、信州大学など5大学)、「千葉県医師研修支援ネットワーク」(千葉県、千葉大など)といった動きだ。

また、平成20年度には、文科省による「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」がスタート。例えば、北大、札幌医大、旭川医大と慈恵医科大が地域を超えて連携し、数カ月の国内留学制度を導入するなどの試みが、進められている。

以上のような背景、動向を踏まえて、「本ワーキンググループには大きく分けて3つの論点がある」と森山氏は論じた。

第1の論点は「初期・後期研修の問題点と解決策」である。具体的には「到達目標と評価方法の明確化」「研修病院の資格の厳格化(基準の見直し)」「大学病院、中核・地域病院、診療所が連携した循環型研修(教育)の整備」「地域医療への貢献(地域医療研修・経験の拡大)」が指摘された。

第2の論点は「専門医制度のあり方検討(強化)」。ここでは「専門医とサブスペシャリティの確立」「標榜科の限定」「専門医としてのプライマリケア医(家庭医・総合医)」「専門医の適正数配置(地域ごと)」「統一の医師団体(連盟)にすべての医師の登録を義務化」が細かい論点として指摘された。

第3の論点は、「勤務医のキャリアパスシステムの策定」である。「臨床実績・臨床能力の客観的評価法の策定」「多面的な評価による人事(病院管理者)」「評価のフィードバックによる矯正・修正と医師のキャリアアップ」が具体的な論点だ。

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