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21世紀医療フォーラム「医師の育成、大学附属病院のあり方」研究部会 統合後第1回会合が開催
~「医師の育成」研究部会と「臨床研究、大学附属病院のあり方」研究部会の2つの研究部会が統合され、行政府、立法府双方に建設的な提言が可能な組織へ

2009/10/26
21世紀医療フォーラム取材班編集部 桶谷仁志

9月14日、21世紀医療フォーラム「医師の育成、大学附属病院のあり方」研究部会が、帝国ホテルで開催された。同研究部会は、これまで各2回ずつ開催されたと「医師の育成」研究部会と「臨床研究、大学附属病院のあり方」研究部会という2つの部会が統合されたもので、これが統合後、第1回の会合となった。
今回は、ゲストスピーカーとして、北斗病院(北海道帯広市)の初期研修医である賀来敦氏が「医学生、研修医の教育に欠けているもの」と題した講演を行い、現場の医学生、研修医の立場からの問題提起を行った。また、統合後の研究部会の方向性についても意見が交わされ、民主党新政権に向けて、具体的、建設的な政策提言を試みるという方向性が確認された。

基本方針不在で医師育成の政策は迷走。 臨床研修病院の指定制度に問題が


研究部会冒頭、今回から委員として参加する大島伸一氏(国立長寿医療センター総長)が、「人は立場によって、意見も違ってくる。1つの視点からの見方に固執せずに、柔軟な議論をしたい」と、21世紀医療フォーラム代表世話人の1人として研究部会に参加するに当たっての抱負を述べた。

これに引き続き、司会の阪田英也(21世紀医療フォーラム・プロデューサー)から、これまで2回実施された「臨床研究、大学附属病院のあり方」研究部会での議論の骨子が紹介された。同研究部会の座長をつとめてきた門田守人氏(大阪大学副学長)は、「皆さんで考え、議論した結果、結論はほぼ同じところ、つまり『急性期病院への財源投入』『地域完結型の医療ネットワークづくり』『基本領域の専門医制度の新設』などに収斂している。これからの課題は、どこに、どういう形で一歩を踏み出すかだ」と述べ、従来の研究部会を総括した。

次に、同じく阪田から、「医師の育成」研究部会での議論の骨子が紹介された。同研究部会での議論の前提になってきたのは「医学教育は社会の共通資本」という考え方。医学教育には、莫大な国費が投入されているが、国民のためにどういう医師を養成するかという方針がはっきりしていないために、新臨床研修制度の見直しなど、医師育成に関する政策は迷走している。

座長をつとめてきた森山寛氏(東京慈恵会医科大学附属病院長)は「(新臨床研修制度の)制度の企画そのものは良かったが、研修病院の指定制度に問題があったのではないか」との意見を述べた。また、「医師の育成は国民の協力なしには何もできない。医師育成の現状に関する情報を国民に向けて発信し、その協力を求めていくことが大事だ」という持論を展開した。

医学生、研修医の現場からの声を紹介。 「講義型授業は意味がない」という意見も


今回の研究部会では、医学生、研修医の現場の声を聞くという主旨で、北海道帯広市から、ゲストスピーカーが招かれた。北斗病院で初期研修を受けている賀来敦氏だ。賀来氏は、岡山大学薬学部大学院を卒業後、製薬メーカー、薬局に勤務。その後、旭川医科大学に編入学して、医師となった。

旭川医科大学在学中から、各種の研修会、学会等に参加して医師としてどう研鑽するべきかを試行錯誤。臨床研修病院の選択に際しても、3年次から早々と病院実習を開始した。こうした経験を活かし、研修医となった現在も、医科の大学生向けに「医療面接・カルテ記載法」「臨床研修病院の選び方」「価値観シートを用いた自己分析」などをテーマにした講演、セミナーなどを数多く実施している。

今回の講演「医学生、研修医の教育に欠けているもの」では、賀来氏自身がネットワークを持つ複数の大学、病院の医学生、研修医にヒアリングし、その結果、集まった不満の声を紹介。「医学部で困った授業、カリキュラム」というテーマでは「講義型授業は意味がない」「きちんと用意して、考え方・伝え方を研究している人はわかりやすいが、少ない」「概して、基礎医学系授業より臨床系医学授業がおざなり」といった辛口の意見が紹介された。

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