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「臨床薬剤師 漢方」研究部会 第2回会合を開催 
薬剤師の卒後・生涯教育における“自発的努力”で「漢方」が培われている。漢方の専門知識を有する薬剤師が積極的に治療参加するモデルづくりを

2009/08/12
21世紀医療フォーラム取材班デスク 油井富雄

しかし、「医学も薬学も、明治以来、漢方教育を無視してきたという事実がある。行われるべき漢方教育がなされない中で、西洋医薬学を修めた医師、薬剤師が自発的努力によって、漢方を学習しているのが現状」と、漢方の知識習得には、医師や薬剤師の“卒後教育”がその推進力となっていることを示した。

 8年前に文科省の医学・薬学教育に“和漢薬を概説できる”の1項目が入り、全国の医学部、薬学部では漢方関連の講座は完備された。しかし、現実には卒後教育の中で漢方を習得し、医療に調剤に活用しているのが現実である。

 主な漢方の卒後教育システムで挙げられたのは以下の例だ。
日本東洋医学会・漢方専門医認定制度(医師)
日本漢方交流会・研修認定制度(薬剤師)
日本生薬学会・薬剤師研修センターによる漢方薬・生薬認定薬剤師

漢方の臨床実習は、6年制薬学部の実務実習では範疇外となっている

 木村氏は、実際の漢方系薬局での実務実習の例として「漢方薬の形態、鑑別、選品、放送形態、保存方法、エキス製剤の取り扱い、医療用漢方製剤、エキス製剤の添付情報の扱いと服薬指導、メーカーにより薬効表示の差、エキス製剤、丸剤、錠剤、散剤の調剤など多岐にわたり、現実には、特殊な漢方薬局でしか実務実習はできない」と指摘する。

 さらに6年制薬学部では来年度より臨床薬剤師の実務実習が始まり、その共用試験が行われているが、「これらは西洋医薬の実務実習で漢方薬については範疇に入っていない」という現実も示され、「薬局実習で実行困難とするもののトップが、薬局製剤と漢方の調剤。この原因は、これまでの薬学教育における漢方教育の欠如。さらにいわゆる漢方薬局では実務実習をやる資格が認定されない」という問題点も指摘された。

 ただ、実際に漢方薬学科という漢方専門科を掲げた日本薬科大には、すでに高いモチベーションによって、漢方医学を習得している学生がいる。
「鍼灸師の資格を持って入学した漢方薬学科の学生が、病院の薬剤部に研修に行きました。鍼灸で漢方理論は、ある程度マスターしていますから、そこの病院では、その学生の漢方の知識に注目、病院内で講義をしたのです。これには驚きました。その病院はけっこう大規模でしたが、それでも漢方の知識はその程度で、かつ漢方の知識が病院にとっても必要なことであるということでしょう」と、木村氏は語る。

薬剤師国家試験に、1題でもきちんとした漢方の出題をすべき

 また木村氏は、薬剤師国家試験の問題に触れ、「全240問中に1、2題は漢方関連の出題があるといわれるが、実際はどうか」という点にについて、ここ数年の関連する試験問題の実際を示した。

「薬学部には生薬学という学科があり、漢方はそこで教育される場合が多く、実際は漢方の出題というより、生薬学の出題であり、漢方の調剤、漢方医学の本質的な理解にどれだけつながるかは疑問」と、実際の試験問題を示した。

木村氏は、「1題でも漢方知識を必要とするきちんとした出題をすべきでしょう」と語り、続けて「漢方教育を全国的レベルで同程度の水準にならないといけないし、出題する側に漢方を出題する意識がないこともある」と、問題点を指摘した。

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