日経メディカルのロゴ画像

今、医師の育成に何が必要か
21世紀医療フォーラム『医師の育成』研究部会が開催

2009/06/17
21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒

柴田拓美氏(野村ホールディングス副社長)

医学教育の現状を理解してさらなる議論の深まりに期待

 47都道府県に医科大学が設置されるようになって、高度な医学教育が全国どこでも受けられるようになったが、私立医科大学で黒字になっている医科大学はわずかしかなく、森山氏によれば「29私大中、黒字は、6大学しかない」。

そうした状況をふまえて、野村ホールディングス副社長の柴田拓美氏は「大学病院は、育成・研究という大切な役割を果たしているのに、それに見合う支援を受けていない。大学病院を潰さないために何をしたらいいのかを国民の問題として考えるべきだ」と指摘。さらに、「大学病院のみならず日本の医療を支える医学教育の在り方を再考すべき時期に来ているのではないか」と述べた。

 一方、IMSジャパン社長の佐伯達之氏は、「これまで十分とは言えない環境の中でも、志の高い優れた医師は輩出されてきた。このように傑出した医師と言うものはいつの時代にあっても生まれるものだろう。しかし今後は、医師を目指す人達の多くが良い医師になれるような教育システムが必要なのかもしれない」と語った。

佐伯達之氏(IMSジャパン社長)

 がん治療の均てん化が叫ばれ、どこに住んでいてもエビデンスにもとづいたがん治療が受けられるようにとがん対策基本法ができたが、医療の質を底上げし、「国民のための良い医師」を育てるには、平凡な医学生が良い医師になろうと努力できるような教育システムはきわめて重要といえるだろう。

 第一回目の会合は広く現在の医学教育の現状を理解してもらうことが狙い。十分な議論が尽くされたわけではないが、医療消費者を代表する財界人が医学教育の現状を理解したことで、第2回目以降、さらに活発な議論が展開されるはずである。

*新医師臨床研修制度
プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身につけることのできる研修制度として2004年から始まった新医師臨床研修制度では、従来、大学病院などの特定の病院でのみ研修が可能だったのが、一般の民間病院でも研修できるようなり、研修医は大学医局に属することなく初期研修が受けられるようになった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップページトレンド 医療潮流 > トレンド 医療潮流 新着一覧

トレンド 医療潮流 新着一覧

この記事を読んでいる人におすすめ