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「治療中心の医療」から「トータルヘルスケア」へのパラダイムシフト
21世紀医療フォーラム『21世紀ヘルスケア』研究部会を開催

2009/05/16
21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒

 第1回会合では、元厚生省事務次官で、現在、医療経済研究・社会保険福祉協会理事長の幸田正孝氏、元厚労省医政局長で、老人保健課長として訪問看護制度の創設、寝たきり老人ゼロ作戦の立案などに尽力した全国社会保険協会連合会理事長の伊藤雅治氏に加え、医療側からは国立長寿医療センター総長の大島伸一氏、財界から野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー社長の中川順子氏が参加し、活発な議論が行なわれた。

21世紀医療フォーラム『21世紀ヘルスケア』研究部会
第1回会合 出席者
座長辻 哲夫 氏(東京大学教授)
 大島伸一氏(国立長寿医療センター総長)
 幸田正孝 氏(医療経済研究・社会保障福祉協会理事長)
 伊藤雅治 氏(全国社会保険協会連合会理事長)
 中川順子 氏(野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー社長)
司会阪田英也(21世紀医療フォーラム・プロデューサー)
 池畠宏之(21世紀医療フォーラム取材斑チーフ)
記録田野井真緒(21世紀医療フォーラム取材班シニアライター)

幸田正孝 氏(医療経済研究・社会保障福祉協会理事長)

21世紀医療の最大のテーマは、「エイジング・ウエル」

 メタボリック症候群(代謝症候群)は、血圧、血糖値、脂質代謝、肥満度に軽度でも異常が認められた状態をいう。同時にメタボリック症候群は、脳卒中・心臓病・慢性腎臓病(CKD)といった予後に重大な影響を及ぼす循環器疾患の大きなリスクになる。そこで、メタボ検診(特定検診・特定保健指導)が2008年4月から実施され、循環器系合併症の発症を防ぐ試みがなされている。

 この点について、医療経済研究・社会保障福祉協会理事長の幸田氏は、「いわゆるメタボ検診は、中高年層に疾病予防の重要性を再認識させることに貢献したが、これからは単に病気を予防するだけでなく、より健康になるための医療が求められている。そのよい例がアンチエイジングで、抗加齢医学は超高齢社会を迎えた日本において重要な医療テーマ」と語った。

 抗加齢という言葉から医療消費者は、加齢に抗して若返るというイメージを抱きやすいが、臨床医学が目指す本来のアンチエイジングは、いかに健康寿命を平均寿命に近づけるかである。国立長寿医療センター総長の大島氏は、医療消費者の誤解を正すためにも「健康的に年齢を重ねるという意味で、『エイジング・ウエル』という言葉がふさわしい。『エイジング・ウエル』という言葉には幸加齢という意味も含まれる」と提案した。

 日本人の平均寿命は男性78.4歳、女性85.3歳だが、健康寿命は男性72.3歳、女性77.7歳で、男女とも最後の約7年間を、“健康とはいえない状態”で過ごしている。だとすれば「より健やかに生きるために、どのような医療が求められているのかが問われる」と、大島氏は指摘した。

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