日経メディカルのロゴ画像

臨床薬剤師と漢方を2大テーマとして問題点を提言へ
21世紀医療フォーラム『臨床薬剤師、漢方医学』研究部会が開催

2009/03/27
21世紀医療フォーラム取材班デスク 油井富雄

都築仁子 氏(都築学園総長・理事長)

漢方医学の概念の普及が必要。西洋薬のように漢方薬が使われることは問題

中村直行研究室・中村直行氏は、「西洋医薬、漢方医薬のどちらかを患者側が選択できるようなシステムを創ることも大事なことです。医療政策へのアプロ―チをどうするかが問題」と語り、歴史の変遷の中で日本の医療制度の改革の必要性を述べた。

 津田座長も、「家庭医療、高齢者医療で漢方薬は注目されています。外科部門の大建中湯だけではなく、βブロッカーの薬の副作用のこむら返りを改善するのに、芍薬甘草湯がよく効くなど、漢方を全く知らなかった医師が注目しています。医師に向けて、また薬剤師に向けて、さらには一般に対して、どのようなアプローチが必要か、議論が必要です」と語った。

しかし、都築仁子氏から、こうした医師を対象とするアプローチについての問題点も指摘された。

「単に医療現場で漢方薬の使用ケースが増えても、西洋薬と同じような使い方では意味がありません。『漢方医学』は、陰陽五行に基づいており、西洋医学とは違った診断法や理論をもとに使うべきものです。さらに『漢方医学』は漢方薬だけではなく、鍼灸や養生などの知識、技術習得が必須です。漢方を薬だけで考えるのではなく、総合的な治療として捉えることが必要です」。

日本初の薬科大学附属病院計画。臨床薬剤師、漢方専門病院を視野に

 少なくとも、漢方医学は、明治以降の法制度に翻弄され、大正の末年、昭和の初期には絶滅に危機に瀕した。それが先人の努力によって、西洋医学が主流の医学制度、薬学制度の中で漢方医学の応用の道を正面から議論できる時代になったといえる。

 未来の医療を考える時、漢方医学の果たすべき役割を臨床薬剤師という視点で議論を見つめ直し、提言の基本方針に据えて議論することが本研究部会において確認された。

 薬学部6年制を踏まえ、2年後には6年制薬学部を卒業した薬剤師が誕生するが、薬学部教育問題、漢方の薬剤師国家試験問題(医師国家試験も同様)などを視野に入れ、日本薬学会、日本薬剤師会、日本東洋医学会、日本生薬学会などの動きを追いながら、それらのリポートを、本WEBサイトのコーナー「医療潮流」において報道していく。

 また、日本薬科大学では、日本初の薬学部附属病院の設置を計画中であり、臨床薬剤師、漢方専門病院という視点からの進展についても併せて取り上げていく予定である。





「現代医療の中の生薬・漢方薬」 (2002年日本薬学会)
 現代医療で使用される生薬・漢方薬について理解するために、漢方医学の考え方、代表的な漢方処方の適用、薬効評価法についての基本的知識を習得するもの。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップページトレンド 医療潮流 > トレンド 医療潮流 新着一覧

トレンド 医療潮流 新着一覧

この記事を読んでいる人におすすめ