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国民皆保険を維持し、医療コストの行き過ぎを防ぐことが日本の課題。病院は、「経営のプロ」を積極的に活用すべき

2009/10/19
野村ホールディングス 執行役副社長 兼 COO 柴田拓美 氏

――最後に、このGood Doctor Netには近く、医学生・研修医向けのサイトを併設する予定です。これから医療の世界に入ってくる若い人へのメッセージをお願いできますか。

柴田 野村という企業は、「あすなろ精神」の会社だと私は思っています。野村は従来から、社員1人1人が「これをやりたい」と強く希望することを大事にする会社であったし、これからもそうあり続けたいと思っている会社です。これから医師になろうとする方々も、「明日はこうなりたい」という精神を持ち続けることが、その一生を通じて、自分自身の活力源になるのではないでしょうか。

私が野村の新入社員によく言うのは、「時間のバリュー」「持続のバリュー」に早く気づいて欲しいということです。目の前のことにしか目が行かない狭い視野では、日々の仕事に直面した時に、心がつまづき、負けてしまう。いま直面していることを、10年、20年持続した結果どうなるかに、常に目を向けないとダメなのです。

60歳、70歳になるまで、持続し、進化し続ける自らのイメージを心の中に強く、深く描いて欲しい。医師の場合であっても、医療の進歩に対する興味関心を持ち続け、勉強を継続するという強い精神があれば、視野も広くなるし、日々の継続自体が楽しくなるのではないでしょうか。

――日常的に同じことが続くように見えるのは、実は自分が見ている範囲が広がっていないから。少しでも視野を広げると別のものが見えてきて、風景全体が変わっていくのでしょうね。

柴田 視野を広げる助けになるのが、異分野の交友関係です。そうした交友関係は、自分の趣味の世界からも広がっていきますし、意外に大事なのが高校時代の同級生です。社会という1つのコスモスから見ると、高校時代の交友関係はまさにミクロコスモスです。地域は同じかも知れないけれども、家庭環境もその後に進学した大学も、就いた仕事もばらばら。そういう友人たちとの付き合いを大事にすると、自然に視野は広がります。

また、私が自分の若い頃を振り返って非常に良かったと思うのは、20代後半で、2年間、徹底して考える時間が持てたことですね。私は28歳で、米国に留学してMBAを取ったんですが、それ以前の26~27歳の時期には、大きな壁にぶつかっていた。1日の睡眠時間3~4時間でメチャクチャに働いていて、あのままで行ったら心身ともに燃え尽きていたと思う。

その時に、留学という機会を得て、仕事から離れて継続的に、深く考える時間を持てたことが、ものすごく大きかった。医師の世界でも、20代で壁にぶつかった時には、何らかの形で大きく方向転換することを考えてもいいのではないでしょうか。もしも、それで失敗したとしても、20代や30代初めなら、まだまだ再出発ができますよ。医師に限らず、専門職というのは、それくらい自分を突き詰めていく時期があってもいいと思うのです。

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